2011 Fiscal Year Research-status Report
研究開発プロジェクトの評価システム-戦略的視点からの分析-
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23530564
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
青木 雅明 東北大学, 経済学研究科(研究院), 教授 (90202473)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
間普 崇 関東学園大学, 経済学部, 准教授 (10438749)
松田 康弘 東北大学, 経済学研究科(研究院), 准教授 (70451507)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 研究開発プロジェクト |
Research Abstract |
本研究は,研究開発プロジェクトに対してモデル分析と実証分析という2つのアプローチをとっており,それぞれのアプローチについて今年度の研究成果を報告する. モデル分析においては,研究開発プロジェクトの評価モデルを構築していく際に必要と考えられる非財務指標について研究を行った.今年度の研究においては,過去のプリンシパル・エージェントモデルにおいて用いられた非財務指標について研究を行い,私たちのモデルへの応用可能性を検討した.その成果は,松田「非財務業績指標に関する研究」(『メルコ管理会計研究』,2012)において発表された. 実証分析においては,BSCが企業へ実際に導入されるプロセスを検証した.これは,Kaplan and Norton[2008]によって示されたClosed Loop Strategy Management Systemを研究開発プロジェクトの導入へ応用することが有益と考えたためである.私たちは,その成果を,管理会計学会関西・中部部会(2011.6.25,近畿大学),日本管理会計学会全国大会(2011.10.9,関西大学),The 7th APMAA Conference(2011.11.11, Malaysia)で発表した.同時に,非財務指標として2酸化炭素の排出量に注目し,企業が排出する2酸化炭素と企業業績の関係に関して実証分析を行い,有意な関連が認められる業種があることを見いだした.この成果は,日本管理会計学会全国大会(2011.10.9,関西大学)において発表された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2011年度は,学会発表4回(国内学会3回,海外学会1回,3回が英語による報告),論文2本という成果をあげることができた.非財務指標として2酸化炭素排出量が有用な尺度になり得ること,そして,BSCプロジェクト導入プロセスが研究開発プロジェクトの導入にも適用可能であることを確認できたのは研究の成果と言える.一方,昨年3月の大震災により3ヶ月の間研究が全くできなかったために,当初の予定よりやや研究の進み方が遅れ,予算も当初の予定通り執行できなかったという点は事実として認識しなければならない.今年度は,特に海外学会での発表を目標とし,国内の学会にも積極的に参加し,これまでの遅れを取り戻していきたい.
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Strategy for Future Research Activity |
2011年度は3月の大震災の影響で約3ヶ月間,物理的に研究活動を行えないという状況が存在した.このため,予定通りの予算執行を行えず,多額の予算を今年度に繰り越している.2012年度は,海外・国内を問わず多くの学会・研究会での報告を行っていきたい.また,基礎資料についても,昨年度収集でできなかった分も含め,積極的に収集していきたい.
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
予定通り,学会発表,研究会参加,資料収集などを中心に利用していく.また,これまでの研究成果を共同研究者同士で自由に参照できるような情報システム(具体的にはネットワークサーバー)の構築を考えてみたい. 2011年度は,基礎資料(データベース等)を十分に購入できなかったので,今年度はこのような研究に必要なデータも収集していきたい.
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