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2011 Fiscal Year Research-status Report

監査人による関連性への関与とその評価に関する研究

Research Project

Project/Area Number 23530568
Research InstitutionHitotsubashi University

Principal Investigator

福川 裕徳  一橋大学, 商学研究科, 准教授 (80315217)

Project Period (FY) 2011-04-28 – 2014-03-31
Keywords財務情報の関連性 / 監査人の関連性への関与 / 関連性理論
Research Abstract

本研究は,会計プロセスを一つの情報伝達プロセスとして捉えた場合に,その中で監査人が「関連性」にどのように関与し,それをどのように評価するのか,そして監査人によるそうした評価にどのような要因が影響を及ぼすのかを明らかにすることを目的としている。監査人による関連性への関与には,(1)制度レベルでの関与,(2)財務諸表レベルでの関与,(3)監査証拠レベルでの関与という三つの範疇があると考えられる。言語学(語用論)で展開されてきた関連性理論を応用することにより,会計及び監査における「関連性」概念の精緻化を行うとともに,それぞれのレベルにおいて行われる監査人による関連性の評価の意義を概念的,理論的,実証的に解明すること研究課題とする。 平成23年度は,関連性概念に焦点を当て,監査を含めた会計プロセスを一つの情報伝達プロセスと捉え,その中で監査人がどのように関連性に関与し,それを評価するのかを検討した。すなわち,言語学(語用論)の領域で展開されてきた関連性理論に関して,これまでに蓄積されている研究成果を検討することによって関連性概念を考察し,会計プロセスにおけるその意義を明確にするとともに,その理論的なフレームワークを構築した。 また,関連性理論を援用することにより構築された,会計プロセスにおける関連性の意義に関する理論的フレームワークに基づいて,制度レベル及び財務諸表レベルでの監査人による関連性の評価の意義を検討するため,関連性の明示的な評価が監査人に求められた事例の分析にも取り掛かった。裁判資料,財務諸表を含めたアニュアル・リポート,新聞・雑誌記事,当該事例を取り上げた研究論文など,必要となる資料の一部を収集し,分析を進めている。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

現在まで,おおむね順調に進行している。特に,監査人の「関連性」への関与に関する理論的フレームワークの構築に関しては予定通り進めることができ,内容的にもほぼ完成した。一方,平成23年3月の震災の影響により,平成23年度に予定していた資料収集のための海外出張ができなかったため,事例を分析するための資料の収集が若干遅れている。しかし,これは平成24度に集中的に取り組むことによって十分に挽回可能である。

Strategy for Future Research Activity

すでに取り掛かっている事例研究を推進することが今後の研究における第一の課題となる。会計基準に準拠したとしても財務諸表に含まれる情報に関連性がないことが明らかな場合(関連性があることを否定する明らかな証拠がある場合),あるいは会計基準に準拠していなくとも財務諸表に含まれる情報に関連性があることが明らかな場合(関連性があることを支持する明らかな証拠がある場合)において,関連性の明示的な評価が監査人に求められた事例を分析する。具体的には,コンチネンタル・ベンディング・マシン社事件(アメリカ,1969 年),アーガイル・フーズ社事件(イギリス,1981 年),昭和シェル石油株式会社の事例(日本,1992 年),ビクトリア・モーゲージ社事件(カナダ,1997 年),ソシエテ・ジェネラル社の事例(フランス,2008 年)の五つの事例を取り上げる。すでに一部の事例については十分な資料を収集しているが,未だ資料収集が完了していない事例もある。それらについて,資料の収集を急ぐとともに,分析を行い,制度レベルでの関連性への関与が監査人に求められる状況・条件を特定するとともに,監査プロセスの出発点となる財務諸表レベルでの関連性への関与の性質を明らかにする。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

平成23年度には震災の影響により研究費が減額される可能性があったため,早い時期に予定していた資料収集のための出張を取りやめた。その残額は平成24年度の資料収集に使用する。 平成24年度には,主に事例研究のために必要となる資料の収集に注力する。そのため,アメリカおよびイギリスに各1回の出張を予定しており,旅費が必要となる。さらに,収集した資料を整理・分析するためにいくつかのソフトウェアが必要となる。さらに,年度後半には研究成果を種々の学会・研究会で報告することを予定しており,旅費が必要となる。

  • Research Products

    (1 results)

All 2011

All Book (1 results)

  • [Book] 会計監査と企業統治(体系現代会計学第7巻)(第5章執筆)2011

    • Author(s)
      千代田邦夫・鳥羽至英(責任編集)
    • Total Pages
      423(担当部分191 - 222)
    • Publisher
      中央経済社

URL: 

Published: 2013-07-10  

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