2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530592
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Research Institution | Seikei University |
Principal Investigator |
伊藤 克容 成蹊大学, 経済学部, 教授 (40296215)
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Keywords | 管理会計 / マネジメント・コントロール / イネーブリング・コントロール / インターラクティブ・コントロール / コントロール・パッケージ |
Research Abstract |
「既定の業務ルーティンの枠の中で、所与としてあたえられた経営戦略を効率的に実行するための情報を作成し、提供する」というのが、これまでの管理会計に対する役割期待であった。環境変動が激しく、競争が厳しい状況では、伝統的な役割に加えて、戦略の策定、業務ルーティンの更新など、従来にない役割が追加されるようになった。経営資源との関連でいえば、伝統的な管理会計の役割が資源の効果的な利用(exploitation)であったのに対して、現代の管理会計およびそれを包含するマネジメントコンロールでは、経営資源の探索・取得(exploration)も同時に実施することが求められている。期待される役割が拡張したと解釈できる。 具体的には、戦略機会の探索を促進するインターラクティブ・コントロールや業務ルーティンを継続的に見直すための仕組みであるイネーブリングコントロールが概念化されるとともに、各種のコントロール手段を含んだパッケージとしてのマネジメント・コントロールの設計・運用が注目されるに至っている。本研究では、日本企業の組織慣行を前提に、どのようなコントロールパッケージが構築され、そのなかで管理会計はいかなる役割を果たしているかという問題意識のもと、実態の解明と理論的な考察を試みた。 本研究の目的を果たすための具体的な研究方法としては、関連領域に対する文献調査を実施するとともに複数の企業へのヒアリング調査を継続的に行ってきた。 最終年度である今年度は、これまでの研究成果を論文または研究報告として公表するとともに、組織変化という現象をとりあげ、環境変化に組織が適用しようとする状況下でのマネジメント・コントロールの役割(組織変革局面での貢献)についても検討した。
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