2011 Fiscal Year Research-status Report
修正再表示された見積りの性格と監査に関する事例研究
| Project/Area Number |
23530595
|
|---|
| Research Institution | Senshu University |
|---|
Principal Investigator |
奥西 康宏 専修大学, 商学部, 教授 (60257178)
|
|---|
| Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
| Keywords | 見積りの監査 / 事例研究 / 会計上の見積り / 監査人 / 繰延税金資産 / 公認会計士 / 品質管理レビュー / 修正再表示 |
|---|
| Research Abstract |
本研究「修正再表示された見積りの性格と監査に関する事例研究」は、日米で公表された財務諸表の修正再表示（restatement）のうち、会計上の見積りに関するものを選び、その内容を監査に関連づけて分析するものである。本研究は、これまでの会計上の見積りの監査についての研究をもとに、後日修正再表示された、いわば問題のあった見積りについて、修正が必要となった要因と監査上の対応を具体的に検討することにより、見積りの作成と監査における問題点を整理し、今後の会計上の見積りの監査の課題の提示を意図するものである。 本研究は、日米で公表された決算の修正再表示のうち会計上の見積りに関するものについて、「データ収集」（データベースによるキーワード検索）→「個別事例分析」（事例の内容と当時の環境の理解）→「修正再表示の要因と監査上の対応の問題点の抽出」（修正再表示の要因を分析しつつ、監査上の対応の問題点を抽出）→「見積り作成と監査における課題の提示」という４段階の流れで研究を進めることを想定している。 当年度は、研究初年度として、見積りの監査の課題について、「データ収集」と「個別事例分析」を行った。その過程で、見積りの監査を包括的に検討するために、JICPA品質管理レビュー及び公認会計士・監査審査会の活動により公表された文書から見積りの監査に関する記述を抜き出し、検討し論文を作成した。また修正再表示された見積りの具体例として、試行錯誤しつつも、繰延税金資産に関する日本の事例を検討し、論文にまとめた。 このような事例の研究をさらに展開し、今後の「修正再表示の要因と監査上の対応の問題点の抽出」につなげていく意味で、当年度は一定の成果をあげている。
|
| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当年度は、本研究では、予定している4段階のうちの前半、「データ収集」→「個別事例分析」を予定しており、データベースによるキーワード検索により検討する事例を選んだ。 また、見積りの監査の問題点を包括的に検討するために、JICPA品質管理レビュー及び公認会計士・監査審査会の活動により公表された文書から検討し論文を作成した（2012年1月公表）。さらに、そのうち日本の繰延税金資産の処理について、大王製紙と足利銀行の公表文書を含めて検討し試行錯誤しつつも論文にまとめた（2012年4月公表）。
|
| Strategy for Future Research Activity |
これまでキーワード検索等により抽出した日米の個別事例分析についての検討をさらに進め、複数の事例について論文にもとめ、そこから「修正再表示の要因と監査上の対応の問題点の抽出」（修正再表示の要因を分析しつつ、監査上の対応の問題点を抽出）し、「見積り作成と監査における課題の提示」を目指す。
|
| Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究に必要な文献を購入し、必要に応じて消耗品等を購入する予定である。
|
