2013 Fiscal Year Annual Research Report
修正再表示された見積りの性格と監査に関する事例研究
Project/Area Number |
23530595
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Research Institution | Senshu University |
Principal Investigator |
奥西 康宏 専修大学, 商学部, 教授 (60257178)
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Keywords | 監査人 / 見積りの監査 / 見積りの変更 / 見積りの偏向 / 公認会計士 / 修正再表示 / 繰延税金資産 / 会計上の見積り |
Research Abstract |
本研究「修正再表示された見積りの性格と監査に関する事例研究」は、日米で公表された財務諸表の修正再表示(restatement)のうち、会計上の見積りに関するものを選び、その内容を監査に関連づけて分析するものである。本研究は、これまでの会計上の見積りの監査についての研究をもとに、後日修正再表示された、いわば問題のあった見積りについて、修正が必要となった要因と監査上の対応を具体的に検討することにより、見積りの作成と監査における問題点を整理し、今後の見積りの監査の課題の提示を意図するものである。 本研究は、日米で公表された決算の修正再表示のうち会計上の見積りに関するものについて、「データ収集」→「個別事例分析」→「修正再表示の要因と監査上の対応の問題点の抽出」→「見積り作成と監査における課題の提示」という4段階の流れで研究を進めることを想定していた。 当年度は、研究最終年度として、見積り作成と監査の課題について、これまでの事例分析等の結果、見積りの偏向(bais)と見積りの変更(change in accounting estimate)という2つの論点を抽出し、日米の監査基準や事例等を対象に、監査人による対応を包括的に検討し、学会報告を行い、また2つの論文を作成した。本研究は、見積りの監査においてあまり研究されていない偏向と見積りの変更について、これまでの監査上の対応の変化を整理分析し、また今後の課題を検討した点に意義がある。 なお本研究は、研究期間中に関連する日本の会計基準の変更があり、事例の入手に制約があり、当初の研究目的からすると、事例をさらに追加し検討すべきであるという今後の課題が残っている。
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