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2012 Fiscal Year Research-status Report

アメーバ経営システムの心理的・行動的効果に関する実証研究

Research Project

Project/Area Number 23530596
Research InstitutionChuo University

Principal Investigator

渡辺 岳夫  中央大学, 商学部, 准教授 (00294398)

Keywordsアメーバ経営システム / 自己効力感 / チーム効力感 / 自律的動機づけ
Research Abstract

本研究の内容は,相互に密接に関連しつつも,次の2つに大別することができる。すなわち,第一にアメーバ経営システム(以下,AMSと略称)の諸特性とその効果に関する因果モデルの構築と実証であり(以下,因果モデル研究),第二に当該因果モデルの構成変数並びに変数間関係の時系列的な推移に関する分析である(以下,時系列分析)。
因果モデル研究において最も重要といえるモデルの構築は,昨年度までに完成している。本年度は,調査協力企業であるダイヤモンド電機㈱(以下,D社)からアンケート調査により入手したデータに基づき,当該モデルを共分散構造分析によって検証した。その結果,第一にAMSの情報特性(努力の実感性やフィードバックの適時性など)や運用特性(理念浸透度や自由裁量度など)が,自己効力感,チーム効力感,あるいは自律的動機づけといった心理的構成概念に影響を及ぼしていること,そして第二に,それらの心理的構成概念はグループ内およびグループ間のインタラクションの生起に関連しており,最終的にグループのパフォーマンスに影響を及ぼしていることが分かった。AMS導入企業の組織成員の心理的構成概念を明確に措定・測定し,AMSの諸特性がそれらに対する先行要因であること,および組織のパフォーマンスがそれらの心理概念の結果要因であることを明らかにした研究は,我が国では初めてものであり,非常に意義が高いものと考える。
次に時系列分析についてであるが,すでに昨年までにD社の従業員に対して,AMS導入前と導入後の時点における心理状態およびAMSの諸特性に関する認知度の調査を行い,データを収集している。本年度は,特に従業員のAMSに対する認知に影響を及ぼす諸施策(例えば,コンサルティング会社の指導や教育)に関するヒアリング調査を重点的に行った。時系列の推移を分析する上では,そのような定性的データの蓄積は非常に重要である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

最初に,因果モデル研究について述べる。当該研究は,おおむね計画どおりに順調に進展しており,既にもっとも重要考えられるモデルの構築を完成させており,さらには当該モデルを検証するために必要なデータも,調査協力企業のD社から入手している。そして,本年度においては実際に共分散構造分析に基づき,そのモデルを検証した。その結果,おおむねモデルを構成する仮説が支持されることを確認することができた。さらには,分析結果の解釈の際に疑問点や問題点が生じた場合には,適宜D社のAMS導入責任者にヒアリングを行い,より妥当な解釈を加えることができた。
次に,時系列分析についてであるが,すでに分析に必要なデータはD社から入手済みであり,こちらも順調に進展している。本年度は,当該研究にかかわり,特にD社においてAMSの効果を高めるために実施された施策の把握を,ヒアリング調査を通じて重点的に行った。なぜなら,時系列的なAMSの効果の推移を解釈するためには,その推移の過程において,いかなる要因がどのように作用したのかを理解することが極めて重要だからである。

Strategy for Future Research Activity

次年度も,引き続き調査協力企業のD社にご依頼し,同社の経営管理者ならびに従業員に対して継続的なヒアリング調査を行う予定である。これにより,因果モデル研究の分析結果の解釈をより妥当なものとするとともに,時系列分析の結果の解釈のために必要な定性的なデータを入手する予定である。
また,D社におけるAMSの効果を立証するために,同業種の企業を選定し,アンケート調査等に関するご協力を得ることよって,比較分析を行うことも予定している。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度においては,因果モデルに関する文献レヴューの継続のための図書購入,調査協力企業の経営管理者ならびに従業員に対するヒアリング調査のための出張などに対する支出が,主たる研究費の使用用途であり,当初の研究計画どおりである。

  • Research Products

    (3 results)

All 2013 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] ミニ・プロフィットセンター・システムが自己効力感と内発的動機づけに及ぼす影響2013

    • Author(s)
      渡辺岳夫
    • Journal Title

      商学論纂

      Volume: 第54巻第6号 Pages: 531-562

  • [Journal Article] 影響システムとしての管理会計研究の新地平:ポジティブ心理学との融合を目指して2013

    • Author(s)
      渡辺岳夫
    • Journal Title

      原価計算研究

      Volume: 第37巻第1号 Pages: 1-15

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 影響システムとしての管理会計研究の新地平:ポジティブ心理学との融合を目指して

    • Author(s)
      渡辺岳夫
    • Organizer
      原価計算研究学会
    • Place of Presentation
      横浜国立大学

URL: 

Published: 2014-07-24  

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