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2012 Fiscal Year Research-status Report

森林吸収クレジットの会計処理とクレジット利用による林業再生スキームの評価

Research Project

Project/Area Number 23530606
Research InstitutionOtemon Gakuin University

Principal Investigator

梶原 晃  追手門学院大学, 経営学部, 教授 (70243368)

Keywords森林 / クレジット / 会計処理 / 林業再生 / 保証
Research Abstract

平成24年度は、平成23年度に引き続き、個人林家・林業企業・林業コンサルタント・金融機関・行政等の関係者の研究協力を得て、実際の林業案件から生み出される森林吸収クレジットの個々の組成プロセスを検証するとともに、それらの取引事例を比較・検討することにより、森林吸収クレジットの会計的属性について分析・評価を行うことにしていた。これについては、関係者の協力を得て、森林吸収クレジット組成プロセスを分析するとともに、それらの取引事例を検討することができた。また、森林吸収クレジットの会計的属性に関する分析・評価についても、一部着手できた。ただし、東日本大震災以降の経済活動の低迷とそれによる取引事例の極端に少ない状況が継続したため、統計的に分析できるほどのデータ量を収集するには至っていないのが現状である。
また、森林吸収クレジットを活用した環境配慮型金融商品の開発や、森林吸収クレジットを担保とした新たな企業再生スキームの構築などが、林業経営に対してどのような財務的効果があるのかを分析することを目標としていたが、これについても先と同様の原因から取引事例が極端に減少したため、十分に分析できるまでには至っていない。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

本研究の目的は、当該研究期間において、実際の林業案件から生み出されるオフセット目的の森林吸収クレジットの個々の組成プロセスを分析し、同時に実際の処理事例を比較・検討することにより、組成されたクレジットのもつ会計上の属性を明らかにして森林吸収クレジットのあるべき処理の方法を提言等に取りまとめて示すことにある。
また、森林吸収クレジットを活用した環境配慮型金融商品の開発や、森林吸収クレジットを担保とした新たな企業再生スキームの構築など、今般の金融業界で新たなテーマとして取り上げられつつあるカーボン関連ファイナンスについて、クレジットの属性との関連で整理し、それらのメリットが実際にCO2を吸収する森林の管理や林業の再生にどのように貢献しようとしているのかを、具体的な事例を取り上げながら提示することにある。
しかしながら、東日本大震災以降の経済活動の沈滞と原発事故等の影響により政府・企業・市民のCO2削減に対する意識に変化が生じ、気候変動抑止のための環境配慮型行為である森林クレジットの組成案件とその取引事例が極端に減少したため、十分に分析できるまでには至っていないのが現状である。また、研究データの提供元として本研究に協力するとともに、事例研究としても取り上げる予定であった複数の事業体が、長引く経営不振のために相次いで破綻し、以後の継続的なデータ収集に一部影響が出る事態にも遭遇した。今後は、これまで蓄積した研究データを再検討した上で、研究方法の若干の変更も含め、より意味のある研究内容へと充実を図るべく調整を進めながら業務を継続していく予定である。

Strategy for Future Research Activity

研究の遅延を挽回するために可能な範囲で追加的な研究協力を求め、課題研究期間の最終年度である本年度中に、予定の研究計画を実行したいと考えている。ただし、森林吸収クレジットに関しては諸般の事情から、これまでの制度が平成25年度末でいったん終了し、同4月より新しい制度のもとで運用がなされることとなり、この間は森林吸収クレジットの組成に関する動きが途絶えた状況になっている。したがって、場合によっては、状況の改善が見込まれる平成26年度にかけて、研究期間の延長も検討する必要があると考えている。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

現時点では研究計画の大幅な変更は考えておらず、研究の遅延を挽回するために可能な範囲で追加的な研究協力を求め、予定通り本年度中に所定の研究を実行することとし、所要の経費を使用する計画である。しかしながら、場合によっては、上に述べた研究状況の改善が見込まれる平成26年度にかけて、研究期間の延長も検討せざるを得ないことも想定される。その際には、研究費の一部を次年度に繰り越すなど、より有効な研究費の使用計画へと一部調整することも検討中である。

  • Research Products

    (5 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 1 results) Presentation (1 results) (of which Invited: 1 results) Book (2 results)

  • [Journal Article] 日本におけるカーボンクレジット制度の現状と課題2013

    • Author(s)
      梶原 晃
    • Journal Title

      追手門経営論集

      Volume: 19 Pages: 20-40

  • [Journal Article] 『真に持続する森林経営を実現するための五つの提言』作成にあたって2012

    • Author(s)
      梶原 晃
    • Journal Title

      山林

      Volume: 1543 Pages: 2-9

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 「林業から脱却、もうかる森林産業へ」

    • Author(s)
      梶原 晃
    • Organizer
      日本経済調査協議会主催シンポジウム
    • Place of Presentation
      経団連会館
    • Invited
  • [Book] 「社会環境報告の展開と保証」、『社会環境情報ディスクロージャーの展開』2013

    • Author(s)
      梶原 晃
    • Total Pages
      23-50
    • Publisher
      中央経済社
  • [Book] 真に持続する森林経営を実現するための5つの提言~森林資源管理から、もうかる森林産業へ~2012

    • Author(s)
      梶原 晃
    • Total Pages
      41
    • Publisher
      日本経済調査協議会

URL: 

Published: 2014-07-24  

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