2012 Fiscal Year Research-status Report
非営利組織のディスクロージャー拡充のための会計理論体系の再構築
Project/Area Number |
23530614
|
Research Institution | Ohara Graduate School of Business |
Principal Investigator |
尾上 選哉 大原大学院大学, その他の研究科, 准教授 (00341199)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
石川 恵子 実践女子大学, 人間社会学部, 准教授 (70343647)
藤井 誠 日本大学, 商学部, 准教授 (80409044)
古市 雄一朗 福山大学, 経済学部, 講師 (40551065)
|
Keywords | 非営利組織 / ディスクロージャー / 業績監査 |
Research Abstract |
2年目となる平成24年度においては、研究実施計画に基づいて、主に文献研究と実証研究のための準備を行う予定であった。研究は、①非営利組織のディスクロージャーの制度および理論、②非営利組織の財務会計、③業績監査(業績評価)、④非営利組織の課税にかかる問題点、という4分野において行っているが、④については研究担当者(藤井氏)が在外研究となったことから、この分野における研究は進展していない。 ①については、どのような情報の開示が非営利組織の財政状態や経営成績を判断する上で重要であるかの研究が行われている(担当:古市氏)。②については、特に米国の財務会計基準書116号を取り上げ、どのような理論的根拠のもとに寄付に係る会計基準が定められたのかを公開草案を検討することにより、考察を行った(担当:尾上)。③については、英国におけるチャリティについて、その制度の現状および課題を明らかにするための研究を行っている(担当:石川氏)。 また、最終年度において米国で学会報告を行うための前準備として、2012年11月15-18日に米国インディアナポリスで開催されたARNOVA(米国の非営利研究学会)に参加し、報告のための情報収集を行い、また学会に出席の研究者等と意見交換を行った。またこの出張に併せて、11月14日にワシントンDCにあるUniversity of the District of Columbia Community CollegeでInstitutional Research Analystにインタビューを行い、大学経営においてどのような財務情報が必要とされているかについて、大学関係者の情報ニーズについての意見交換を行った。 なお、平成24年度においては、5回の打ち合わせ・研究会を行った(5月、7月、11月、12月、2月)。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
第2年目においては、主に文献研究と実証研究のための準備を行うことになっていた。それぞれの分野において研究成果と言えるものもあまり多くなく、研究担当者の計画通りに進んでいないところもないわけではないが、最終年度の研究に大きな支障をきたす程度ではないと考えている。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終年度は、当初予定通り、引続き文献研究のほかに、公表データ等を用いた実証研究を行い、理論的検討との差異を分析し、総括に向けて研究のとりまとめを行う予定である。当初、アンケートを行う予定であったが、アンケートを行う便益分析を、これまでの研究をもとにして行った結果、アンケートではなく、公表済みのデータに基づいた実証研究を行うこととなった。 とりまとめた研究の成果の一部は、日本会計研究学会や非営利法人研究学会において研究報告を行い、研究専門誌への投稿を行う予定である。また国外への研究成果の発信を行うために、11月に開催されるARNOVA(Association for Research on Nonprofit Organizations and Voluntary Action)において研究報告を行う予定である(申込済み、結果待ちの状況)。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
なお、次年度に使用する予定の助成金が24,769円ある。これはH24年度内の文献の入手が困難であったために生じたものであり、次年度における文献購入のために使用する予定である。 助成金の主な支出は、文献等の購入のための購入、研究会・学会報告等のための出張旅費等の予定である。
|
Research Products
(2 results)