2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530623
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Research Institution | Nara University |
Principal Investigator |
吉村 治正 奈良大学, 社会学部, 准教授 (60326626)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渋谷 泰秀 青森大学, 社会学部, 教授 (40226189)
渡部 諭 秋田県立大学, 総合科学教育研究センター, 教授 (40240486)
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Keywords | 社会調査法 / 職歴(キャリア) |
Research Abstract |
本研究は職歴(キャリア)の調査を郵送・インターネット法で実施可能かを実験によって検証しようとするものである。職歴調査は調査する内容もデータの構造も複雑で、さらに収集する情報量も回答者個々人で大きく異なるため、自己記入式よりも調査員による訪問面接法が向くと考えられてきた。だが、調査環境の変化を見据えると、郵送もしくはインターネット法への移行が迫られる可能性が高い。本研究では、郵送およびインターネット法で職歴を調査する場合にどの程度の回答が見込めるのか、またどのような問題が発生する可能性があるかを実験によって把握しようとするものである。 実験的社会調査は、2013年1月に選挙人名簿より947名の標本を無作為に抽出して実施された。その結果は、回収率・項目欠損率・回答者の偏りという三点で見る限り十分評価し得る値が示されており、職歴のような複雑な構造を持つデータであっても、自記式による調査は可能であると結論づけられる。ただし、①郵送回収に比べ、ウェブ回収は著しく低い回収率を示している、②職業および産業項目をあらかじめカテゴリー化して提示した場合と比べ、自由回答を求めた場合は職歴の特定に際して遺漏が生じる確率が高くなるという結果も観察された。 上記の結果より、職歴を自記式で調査する場合には、調査項目のレイアウトや選択肢の与え方など、調査票の構成を入念に行い、回答者が答えやすくなるような工夫を施すことが必要となることが明らかになった。
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Research Products
(3 results)