2013 Fiscal Year Annual Research Report
美容実践を通じた中高年女性のアイデンティティの実証研究:世代・メディア・国際比較
Project/Area Number |
23530633
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
谷本 奈穂 関西大学, 総合情報学部, 教授 (90351494)
|
Keywords | 美容 / 身体 / 中高年 / 女性 |
Research Abstract |
本研究の目的は、美容整形および美容医療を、中高年の女性が行うことを通じて、どのようなアイデンティティを形成しているのかを明らかにすることである。親からもらった身体に傷をつけることのタブーがあった頃と違い、茶髪、ピアスなど、身体加工に対する許容度が大きくなった昨今、美容整形や美容医療(プチ整形などと呼ばれることもあるメスを使わない美容整形)までもが流行しつつある。このような現代の日本で、人がどのような身体をつくりあげるかは、その人のアイデンティティを決定する重要な契機となっており、社会を考える上で、人々の身体加工の現象を捉える必要がある。さらに、身体加工が若者の行うこととして認知されてきたことも鑑み、これまで考察の対象とされてこなかった中高年女性に焦点を当てる必要もあると考えた。 平成25年度は、整形に関する文献と資料を収集すること、これまでに行った美容整形データをまとめること、美容実践から見たアイデンティティモデルの構築をすることを予定にしていた。研究の遂行は実際には、以下の通り行った。 第一に、整形に関する文献と資料の収集については予定通り行い、単行本以外に女性雑誌も収集した。第二に、2013年12月に20~69歳の男女2060名にアンケート調査を実施し、現在は、そのデータを集計、分析中である。第三に、雑誌(学会誌、ウェブ雑誌)への論文として3本、図書(近刊を含む)4冊にそれぞれ寄稿し、論文としては計7本を執筆した。第四に、各研究会にて随時、研究報告を行った。それぞれにおいて意見交換を行い、研究内容を発展させてきた。なお、国際発表、学会招待講演、公的機関のセミナーについては、5本行った。
|