2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530654
|
Research Institution | Yokohama National University |
Principal Investigator |
安藤 孝敏 横浜国立大学, 教育人間科学部, 教授 (00202789)
|
Keywords | 社会的孤立 / 団地 / 高齢者 / 高齢者支援団体 |
Research Abstract |
本研究は、都市部の団地に暮らす独居および夫婦のみ世帯の高齢者の社会的孤立状況と支援団体とのかかわりを明らかにし、支援する側とされる側の双方の視点から、高齢者の社会的孤立問題への対応策を検討することが目的であった。 最終年度は、団地での質問紙調査のデータと比較するために、調査会社の登録モニターから抽出された都市部で生活している独居高齢者を対象とする質問紙調査を実施した。調査では、基本属性に加えて、家族に関する項目、友人との関係、自由時間の活動、外出頻度や内容といった社会関係に関する項目、孤独感や移動能力といった心身の健康度に関する項目などを尋ねた。調査の結果、65~85歳の独居高齢者161名(男41名、女120名)から回答が得られ、団地居住と地域居住の独居高齢者における社会関係などの項目を比較して分析を行った。 平成23・24年度に実施した支援団体の活動拠点を利用する団地居住者へのインタビュー調査から、利用者は、継続・頻回利用である、一人暮らし女性が多い、活動拠点を利用することにより人間関係がでたり、さらに広がったりする、などが明らかになった。その一方で、質問紙調査の結果から、支援活動団体の認知度は約8割と高いものの、活動拠点を利用したことがないという者が約4割もいた。これらの結果は、団地居住の高齢者のニーズと支援団体の活動内容が必ずしも合っていないことを示唆していた。 支援団体は「コミュニティ・カフェ」や「サロン」と呼ばれる高齢者の居場所作り活動を行っているのであるが、ミスマッチということも含めて、地域中でそれらがなぜ利用されないのかを検討することが居場所の利用を広めていくうえで必要である。
|