2011 Fiscal Year Research-status Report
シンガポールにおける「国民」文化の生成に関する社会学的研究
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23530663
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Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
鍋倉 聰 滋賀大学, 経済学部, 准教授 (50346011)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | シンガポール / アジア社会 / 国民文化 / 国民国家 / ナショナリティ / エスニシティ / 多人種社会 / 比較社会学 |
Research Abstract |
シンガポールは、1965年の独立から50年に満たない上、英国の分割統治以来現在に至るまで、「華人」「マレー人」「インド人」「その他」という四人種別に分断された多人種社会を構成しているという、国民文化の生成が困難な条件をそろえている。 このシンガポールにおいて、国民文化は果たして生成し得るのか。本研究では、国民国家、ナショナリティ、エスニシティに関する社会学研究の発展に寄与することを目的に、その生成をめぐる様々なせめぎ合いを、取り壊しによる解体の側面についても視野に入れ、現地資料をもとに明らかにすることによって研究を進めている。 シンガポール研究においては、国家側からのアプローチが中心を占める中、本研究では、国民側からのアプローチも試みるため、次の五点に注目して研究を行っている。(1)総団地化社会の成立と団地文化の生成を通して。(2)ホーカー(屋台)センターという独自の飲食空間の生成とその取り壊しについて。(3)国民的モニュメントの生成と取り壊しをめぐって。(4)シンガポール独自の言語をめぐって。(5)シンガポール華人と中国人の関係について。 このうち今年度は、1945年から1960年までの生成過程に関する文書資料の収集と、解体を含めた現況に関する現地調査を中心に研究を行い、先の五点のうち、特に(1)と(2)について集中的に研究を進めた。(1)については、団地化に至る初期の過程の文書資料の収集と団地社会の現況に関する調査を行い、(2)については、戦後シンガポールのホーカーをめぐるせめぎ合いに関する文書資料の収集と、ホーカーセンターの現況に関する調査を行った。あわせて(3)~(5)についても資料収集を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究初年度の今年度は、資料の収集及び収集した資料をまとめることを目標にしており、この目標はおおむね順調に達成している。収集した資料を基にした研究発表については、次年度以降の課題としたい。
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Strategy for Future Research Activity |
「研究実績の概要」で挙げた五点のうち、(1)と(2)については、引き続き1961年以降の文書資料の収集とシンガポールでの現地調査を進める。あわせて(3)~(5)についても資料収集を進める。資料収集だけでなく、研究発表に向けた準備も進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度も引き続き、資料収集のために研究費の多くを用いる予定である。
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