2012 Fiscal Year Research-status Report
孤立化するシングルマザーの不安定性に対するNPO支援の日韓仏国際比較
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23530674
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
近藤 理恵 岡山県立大学, 保健福祉学部, 准教授 (60310885)
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Keywords | ひとり親家族 / ドメスティック・バイオレンス / 家族調整 |
Research Abstract |
本研究の目的は、リスク社会のなかで孤立化する日本、韓国、フランスのシングルマザーが抱えている不安定性のなかでも、①ひとりで子育てをすることの不安定性、②子どもと父親の面会交流に関わる不安定性、③ドメスティック・バイオレンスの影響による不安定性の実態を明らかにするとともに、これらの問題を解決するためのNPOによる支援のあり方を3カ国において比較検討することにある。 平成24年度は、フランスにおいて、シングルマザーを対象に、①~③の不安定性に関するインタビュー調査を行うとともに、シングルマザーとその子どものための施設、母子保護センター、別れた親と子どもの家族調整(面会交流の支援)を行っているアソシアシオン(NPO)のスタッフに対して、支援の現状と課題に関してインタビュー調査を行った。 韓国においても、シングルマザーを対象に、①~③の不安定性に関するインタビュー調査を行った。また、ドメスティック・バイオレンスの被害を受けた女性を支援しているNPO、一時福祉支援施設(旧:母子一時保護施設)、ドメスティック・バイオレンスに関する相談を行っている法律相談所のスタッフに対して、ドメスティック・バイオレンスの被害を受けた女性と子どもに対する支援の現状と課題に関してインタビュー調査を行った。さらに、健康家庭支援センターにおいて、ひとり親家族の支援の現状と課題に関してインタビュー調査を行った。 さらに、日本、韓国、フランスにおいて、①~③に関する資料を収集し、3カ国の政策の比較検討を行うとともに、①~③の不安定性の実態とその要因に関するアンケート調査票を作成した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、平成24年度は、フランスにおいて、シングルマザーを対象に、①ひとりで子育てをすることの不安定性、②子どもと父親の面会交流に関わる不安定性、③ドメスティック・バイオレンスの影響による不安定性に関するインタビュー調査を行い、その実態を明らかにすることができたため。また、シングルマザーとその子どもの支援を行っている公的機関やアソシアシオンを対象にインタビュー調査を行い、支援の現状と課題について明らかにすることができたため。 また、韓国において、シングルマザーを対象に、①~③についてインタビュー調査を行うとともに、ドメスティック・バイオレンスを受けた女性とその子どもに対して支援を行っているNPOに対してインタビュー調査を行い、その現状と課題について明らかにすることができたため。 さらに、上記の調査結果や関連資料をもとに、①から③に関して、3カ国の比較検討を行うとともに、平成25年度に実施する予定であるシングルマザーを対象にしたアンケート調査票を作成することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
当初の計画通り、平成25年度は、日本、韓国、フランスにおいて、①ひとりで子育てをすることの不安定性、②子どもと父親の面会交流に関わる不安定性、③ドメスティック・バイオレンスの影響による不安定性の実態とその要因に関するアンケート調査を実施する予定である。 また、平成26年度は、平成23年度から平成25年度までに日本、韓国、フランスで行った、①~③に関するインタビュー調査結果とアンケート調査結果及び文献研究をもとに、①女性の労働市場上の地位、②家族の個人化、儒教やキリスト教の影響、家族観、③家族政策、ひとり親家族政策、ドメスティック・バイオレンスの防止政策の差異による、3カ国のシングルマザーが抱える3つの不安定性の共通点と差異について明らかにする。 さらに、平成26年度と平成27年度は、日本、韓国、フランスにおいて、NPOを対象にインタビュー調査を行い、①~③の支援の現状と課題について明らかにする。 最終的には、これまでの研究結果を単著としてまとめ、出版する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成24年度、5,3571円が残った。平成25年度は、日本、韓国、フランスにおいて、①ひとりで子育てをすることの不安定性、②子どもと父親の面会交流に関わる不安定性、③ドメスティック・バイオレンスの影響による不安定性の実態とその要因に関するアンケート調査を実施し、そのデータをもとに、集計、分析する予定であるため、その調査の実施のために、5,3571円を使用する。
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Research Products
(1 results)