2013 Fiscal Year Research-status Report
孤立化するシングルマザーの不安定性に対するNPO支援の日韓仏国際比較
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23530674
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Research Institution | Okayama Prefectural University |
Principal Investigator |
近藤 理恵 岡山県立大学, 保健福祉学部, 教授 (60310885)
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Keywords | 面会交流 / ドメスティック・バイオレンス / 子育て / シングルマザー |
Research Abstract |
本研究の目的は、リスク社会のなかで孤立化する、日本、韓国、フランスのシングルマザーが抱えている不安定性のなかでも、①ひとりで子育てをすることの不安定性、②子どもと父親の面会交流に関わる不安定性、③ドメスティック・バイオレンスの影響による不安定性の実態を明らかにするとともに、これらの問題を解決するためのNPOによる支援のあり方を3カ国において比較検討することにある。 1.平成25年度においては、韓国の200名のシングルマザーを対象に、①~③の不安定性に関するアンケート調査を行い、195名から回答を得た。 2.韓国において、以下の4カ所に対してインタビュー調査行った。具体的には、「未婚の母支援ネットワーク」に対して、子育ての支援に関するインタビュー調査を行った。また、ドメスティック・バイオレンスの被害者を支援している「女性の電話」と日本の家庭裁判所に相当する「家庭法院」に対して、面会交流支援に関するインタビュー調査を行った。さらに、シングルマザーが抱えている面会交流や子育ての不安定性を相対化するために、「父子保護施設」に対して、シングルファザーが抱えている面会交流と子育ての不安定性に関するインタビュー調査を行った。 3.『日本、韓国、フランスのひとり親家族の不安定さのリスクと幸せ―リスク回避のための新しい社会システム―』というタイトルの単著を出版した。この著書において、日本、韓国、フランスのシングルマザーに対して行った①~③の不安定性に関するインタビュー調査結果や、フランスのNPOに対して行ったインタビュー調査結果を公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1.韓国において、シングルマザーが抱える3つの不安定性(ひとりで子育てをすることの不安定性、子どもと父親の面会交流に関わる不安定性、ドメスティック・バイオレンスの影響による不安定性)に関するアンケート調査を実施するとともに、韓国のNPOと公的機関に対してインタビュー調査を行うことができたため。 2.本研究の結果を、単著『日本、韓国、フランスのひとり親家族の不安定さのリスクと幸せ―リスク回避の新しい社会システム―』において、発表することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
シングルマザーが抱える3つの不安定性(①ひとりで子育てをすることの不安定性、②子どもと父親の面会交流に関わる不安定性、③ドメスティック・バイオレンスの影響による不安定性)に関するアンケート調査を日本とフランスにおいて実施するとともに、日本、韓国、フランスのNPOに対して①~③の不安定性をなくすための支援の現状と課題についてインタビュー調査を行う。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度においては、平成27年度に執筆する予定であった、単著(タイトル:『日本、韓国、フランスのひとり親家族の不安定さのリスクと幸せ』学文社、2013年9月)を執筆した代りに、日本とフランスにおけるアンケート調査の実施を先延ばししたため。 平成26年度においては、日本とフランスにおいてアンケート調査を行うとともに、日本と韓国のNPOに対して、シングルマザーが抱える3つの不安定性(ひとりで子育てをすることの不安定性、子どもと父親の面会交流に関わる不安定性、ドメスティック・バイオレンスの影響による不安定性)を回避するための支援の現状と課題に関してインタビュー調査を行う。
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