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2012 Fiscal Year Research-status Report

生活保障組織としての家族・親族・近隣に関する比較研究:バリ島と日本の事例

Research Project

Project/Area Number 23530685
Research InstitutionSenshu University

Principal Investigator

永野 由紀子  専修大学, 人間科学部, 教授 (30237549)

Keywordsインドネシア / バリ島 / スバック / ツーリズム / 村落 / 家族
Research Abstract

本年度は、研究の2年目であり、研究テーマに関わる統計資料や文献の収集を継続すると同時に、インドネシア・バリ島のジャティルイ村で本調査を実施した。
ジャティルイ村の調査研究からは、以下のことが明らかにされた。
(1)ジャティルイ村は、バトゥカル山の麓の標高700メートルのところにあり、よく管理された肥沃な棚田の景観が特徴的な地域である。(2)バリ州政府は、ジャティルイの棚田を、付近のヒンドゥー寺院群と一緒に、人間と自然の相互作用のなかでつくられる「文化的景観」として、ユネスコの世界遺産に登録するよう申請しており、2012年に登録された。(3)ジャティルイは、ジャティルイ米の銘柄で知られる赤米の産地であり、「緑の革命」による高収量品種が導入された後も,農薬や化学肥料を使用しない慣行農法で、バリの在来米である赤米を生産し続けてきた。(4)こうしたことが可能になったのは,赤米の生産をメンバーに義務づけているアウィグ・アウィグと呼ばれるジャティルイ水利組織の慣習法の存在が大きい。(5)慣習法では,水分配のルールだけでなく,土壌を保全し,高温多湿のバリの気候のなかで,虫害や鳥獣害が特定の水田に集中することを避けるために,稲の品種や作付回数や作付時期を統一されており、違反者にはペナルテが課せられる。(6)ジャティルイ村では、田植えや草刈りや稲刈りに際して、農業雇用労働だけでなく、ゴトンロヨンといわれる互助労働が行われている。
今後は、本調査の結果をふまえて、ジャティルイ村で棚田が保全されてきた諸要因や諸条件について分析し、バリ農村の家族や近隣組織の特徴について考察する。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

研究目的に関する文献研究や資料収集は研究計画どおり進展し、資料の整理と分析もおおむね予定したとおり進行している。また、現地調査についても、研究目的に適った調査対象地についての本調査を実施することができ、おおむね順調に進展しているといえる。

Strategy for Future Research Activity

研究目的に関する文献資料の収集と、整理・分析を継続すると同時に、調査対象地についての本調査の結果を整理し、分析する。調査対象地に関する不足するデータについては、補充調査を実施し、特定村落についての事例研究の成果をまとめ、研究目的についての考察を行う。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

次年度に使用する主な研究経費は、インドネシアで実施する補充調査に要する諸経費(旅費および謝金)と、国内での調査や研究テーマに関する国内での研究会に参加するための諸経費である。また、文献や資料の収集、分析を継続するための消耗品や資料代も必要である。

  • Research Products

    (1 results)

All 2013

All Book (1 results)

  • [Book] 社会調査事典(項目 農家と農村女性)2013

    • Author(s)
      永野由紀子
    • Total Pages
      800(2)
    • Publisher
      丸善出版株式会社

URL: 

Published: 2014-07-24  

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