2012 Fiscal Year Research-status Report
「能力」の制度としての試験に関する比較社会学的考察
Project/Area Number |
23530690
|
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
尾中 文哉 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (90233569)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大川 清丈 甲子園大学, 人文学部, 准教授 (80299057)
白鳥 義彦 神戸大学, 人文学研究科, 准教授 (20319213)
相澤 真一 中京大学, 現代社会学部, 准教授 (00456196)
|
Keywords | 国際情報交流 / 比較 / 試験 / ネットワーク / イギリス / フランス / タイ / 日本 |
Research Abstract |
平成24年度の研究実績は以下の通りである。(1)日刊全国紙のデータベースを用いた共時的・通時的比較研究に関しては、『サヤームラット』の98年を含む9年おきの記事収集およびデータベース化、『ル・モンド』の記事収集と共有化を行った。前年度遅れていたタイとフランスに関する新聞記事の作業をすすめることができた。 (2)のイギリス・フランス訪問調査に関しては、9月9日~9月15日の7日間に実施し、研究者・政治家・行政官・新聞記者・教員等合計8名にインタヴューを行った。その結果、イギリスにおける「能力」観と、フランスのバカロレアに含まれている「能力」観について、対比しうる深みを持った知見を得ることができた。また、タイ訪問調査については、10月7日~3月18日の162日間にわたる尾中の海外研修中に実施し、文献資料収集とともに研究者・行政官・大学教員・高校教員・高校管理者・学生など62名にインタヴューを行い、タイにおける「能力」観の現状について包括的、かつイギリス・フランスと対比し得る厚みをもった知見を得ることができた。8月に大川が日本女子大学で新聞記事収集を行い、それにもとづき11月に学会報告を行った。また、6月、8月、2月、3月には集まって、11月にはインターネットを用いて研究会を行い、上記研究成果の中間報告と、次年度の計画について相談することができた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、前年度の日本とイギリスに関する研究調査をふまえながら、タイについて新聞記事のデータベース化と分析が進展し、尾中の海外研修期間に貴重なインタヴューが数多くできたため、タイについての作業が大きく進展した。また、イギリスのニューキャッスルでは、前年度のロンドンでの全国レベルのインタヴューを地域を特定して深める貴重なインタヴューができた。フランスでは、バカロレアの現在を浮き彫りにする貴重なインタヴューができた。これらにより、イギリス、フランス、タイに関するインタヴューおよびタイの新聞記事に関しては前年度の遅れを取り戻すことができた。しかし、日本のインタヴュー、フランス、日本の新聞記事のデータベース化などで多少遅れがみられている。
|
Strategy for Future Research Activity |
上記のような進展がみられたため、最終年度は、インタヴュー調査に関しては日本、新聞記事分析に関してはイギリス・フランス・日本を中心とした補足作業を行いつつ、かつ来年度のISA横浜大会での報告も視野に入れつつ、研究の最終年度にあたるまとめの作業を行いたい。 最終年度であるため、予算配分が少なめになっている。このため、イギリス、フランス、タイでの補足調査を行う場合には、それらは基本的には各自の所属大学の研究費などでまかなうこととし、主に国内での調査および研究会の実施にこの予算をあてることとする。またそれと同時に、インターネットを使った研究会を頻繁に行うことで、上記の推進方策を実現していきたい。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
該当なし
|
Research Products
(9 results)