2012 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530692
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Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
相田 利雄 法政大学, 社会学部, 教授 (90061217)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 瞬 福岡県立大学, 人間社会学部, 講師 (70550440)
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Keywords | 繊維産業 / 人材育成 / 中小企業 |
Research Abstract |
本研究の目的は、繊維産業における技能継承と人材の確保・育成策の課題を明らかにするとともに、次世代の繊維産業を担う人材像を明示しその人材の確保・育成策を探究することである。2012年度は、2011年度に引き続いて、岡山県倉敷市・岡山市・井原市、山口県山口市・下関市の繊維関連企業、専門学校、行政機関に関するヒアリング調査を実施した。この調査で山口県内の企業や行政に対する調査を行ったのは、この地域に岡山県内に本社のある企業が工場を集積しているためである。2012年度の調査で明らかにした内容は下記の通り集約することができる。 1.小企業と家内工業の存在および調査ルートの開拓:2011年度の調査では、いわゆるブランドのある企業、看板を掲げてない企業に対する調査が中心だった。それらのルートを通じて、下請小企業や家内工業として営んでいる個人にアプローチすることができた。2013年度の調査では、これらの企業を中心とした調査を展開する予定である。 2.倉敷市児島地域および繊維産業のキーマンの存在:2012年度の調査を通じて、繊維関連企業に勤務後、地域の産業のキーマンとなっている人物にアプローチすることができた。そのため、2012年度の途中からはこのキーマンを通じた調査を実施した。 3.産業構造としての繊維産業:産業構造として見た繊維産業の文献を再調査するとともに、関連するミシン産業の事業者からのヒアリング調査を実施した。 4.まちづくりと繊維産業の関連性:倉敷市や岡山県が進めている「繊維産業を生かしたまちづくり」を調査した。そこから、まちづくりの担い手とは、すなわち、次世代の繊維産業の担い手であることが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究は、実態調査が中心であり、被調査者に協力をいただくことができたため、おおむね順調に進んでいると判断することができる。
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Strategy for Future Research Activity |
2012年度は2011年度と同様に、企業経営者や工場長といった管理者にアプローチすることができた。また、繊維関連企業の労働者、家内工業を営んでいる自営業者にもアプローチすることができた。特に、労働者や家内工業への視点は、前年度で課題にした事項であり、その意味においては、順調に進めることができた。 2013年度は、ここまで明らかにすることができたマクロな課題とミクロな課題を再検討し、必要なヒアリング調査および文献調査を実施するとともに、研究結果を集約していく予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
本調査研究は、繊維産業における技能継承と人材育成をテーマにしていることから、企業や行政等に関する実態調査が中心となる。そのため、本研究において最も必要とされるのが旅費である。2013年度においても旅費が主たる研究費となるものと考えられる。
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Research Products
(11 results)