2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530692
|
Research Institution | Hosei University |
Principal Investigator |
相田 利雄 法政大学, 名誉教授 (90061217)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永田 瞬 高崎経済大学, 経済学部, 准教授 (70550440)
|
Keywords | 繊維産業 |
Research Abstract |
本研究の目的は、繊維産業における技能継承と人材確保・育成の課題を明らかにするとともに、次世代の繊維産業を担う人材像を明示し、その人材の確保・育成策を探究することであった。2013年度は、岡山県倉敷市や群馬県桐生市などにおける実態調査を行った。前年度までの調査では、企業や経済団体等の視点から繊維産業の人材育成や技能継承を見てきたが、今年度の調査では労働者や若手人材といった視点からの調査を行った。 岡山県倉敷市では、若手人材が中心となりデニムをコンセプトとした地域ブランドの立ち上げ、経営や技術・技能に関する情報共有といった取り組みが行われている。また、倉敷市児島地域では、商店街の空き店舗を活用して若手人材の起業を促す取り組みが行われている。これらに関しては、行政や経済団体も積極的な支援策を講じている。こうした諸政策の取り組みは、近年に端を発したばかりであり、ブランド力の強化や零細事業者ゆえの経営的問題などの課題が残されている。しかし、若手人材が繊維産業に携わる場ができたこと、若手人材が地域の繊維関連企業だけでなく既存の商店街や地域住民の活力向上につながっていることが明らかになった。今後もこの地域に焦点を置いて、技術や技能の習得や地域雇用の創出に関して研究を深めていきたい。 群馬県桐生市の調査では、生産や販売において外国人技能研修制度を活用していないことや、下請・分業体制において中心的役割を果たす企業が少ないことが明らかとなった。 今後の繊維産業にとっては、技能継承や人材確保・育成は欠かすことのできない課題である。企業や行政が人材育成機関の設立など新しい取り組みを展開している。これらの機関がどのような役割を果たし、どのような成果をもたらすのかに関しても研究を深める必要がある。
|
Research Products
(4 results)