2012 Fiscal Year Research-status Report
ホスピス・緩和ケアの制度化にかんする社会学的研究ー日韓の比較によるアプローチー
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23530701
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Research Institution | Sugiyama Jogakuen University |
Principal Investigator |
株本 千鶴 椙山女学園大学, 人間関係学部, 准教授 (50315735)
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Keywords | 韓国 / ホスピス / 緩和ケア / 国際情報交流 |
Research Abstract |
①文献補足調査:韓国のホスピス事業およびがん対策事業、生命倫理問題(終末期医療、脳死・臓器移植等)への対策などの展開と成果を理解できる資料を収集した(韓国現地の図書館およびホスピス事業担当者に依頼)。また、医療社会学、老年学、死生学、社会福祉学の領域の文献に目配りし、関連する文献を各種データベースで検索し、複写・購入した。②ヒアリング調査の実施:(1)韓国のホスピス関係者に対するヒアリング調査を実施した。主な質問項目は、制度化のプロセスと内容についての事実確認と意見、制度化の前後でのホスピス・緩和ケアの変容(または予測される変容)、制度化の長所と短所、今後の制度の方向性、今後の緩和ケアの望ましい形態、などである。ヒアリング対象者は、韓国保健社会研究院研究員、モヒョンホスピスセンター院長、高麗大学付属九老病院ホスピス会会長、保健福祉部医療政策課事務官、国立がんセンターホスピス緩和医療事業課研究員、である。調査結果は現在、整理、分析中。③研究の最新動向の把握:日本緩和医療学会学術大会、仏教看護・ビハーラ学会、福祉社会学会等の学会に参加し、研究の最新動向の把握に努めた。④日本の緩和ケア病棟の入院料が診療報酬として設定されるまでの議論の流れが確認できる資料を収集する予定だったが、本年度においては達成できなかった。したがって、日本でのヒアリング調査も実施できなかったため、来年度に持ち越して行うこととしたい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
韓国におけるヒアリングの予備調査とヒアリング調査の実施についてはある程度の目的が達成できた。来年度は収集資料を整理したのちにさらに対象者を拡大してヒアリング調査を実施したい。日本における緩和ケア病棟の入院料が診療報酬として設定されるまでの議論の流れが確認できる資料の収集に時間がかかっているため、本年度は関連の業界紙などを閲覧し、必要資料を入手するとともに、それを整理し、関係者へのヒアリングを準備、実施したい。
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Strategy for Future Research Activity |
①日本の緩和ケア病棟入院料が診療報酬として設定されるまでの議論の流れが確認できる資料を収集する(医事新報等を調査)。②日本と韓国の診療報酬化過程の資料を整理し、ヒアリング調査を実施する。③調査結果をまとめ、分析し、論文を作成する。おもに、ホスピス・緩和ケア制度化過程における主体間の葛藤と、そこで生じる諸課題の特性について考察・分析する。日本についてはすでに緩和ケアが制度化されているため、歴史社会学的なアプローチを加味し、韓国については、制度化の将来像の構想と課題についての検討もおこなう。④文献補足調査:ヒアリング調査の結果などで収集の必要が生じた文献、資料を収集する。また、本年度と同様の資料を対象とした補足的な文献調査も行う。⑤関連の学会に参加し研究の最新動向の把握に努める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
物品費は主に文献、文房具、調査に必要な物品の購入に充てる。旅費は、韓国での現地調査、日本国内での現地調査、資料収集、学会・研究会参加の場合に使用する。
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