2012 Fiscal Year Research-status Report
地方都市・過疎地域における外国人介護者定着促進のための学際的研究
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23530714
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Research Institution | University of Shizuoka |
Principal Investigator |
高畑 幸 静岡県立大学, 国際関係学部, 准教授 (50382007)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 伸枝 千葉大学, 文学部, 教授 (70412731)
小川 玲子 九州大学, 法学(政治学)研究科(研究院), 准教授 (30432884)
後藤 由美子 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (90411735)
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Keywords | フィリピン / 介護 / 海外就労 |
Research Abstract |
・日比経済連携協定により平成21年に来日し、西日本の地方都市・過疎地にある施設へ配属されたフィリピン人介護福祉士候補者の追跡調査を行った。広島県、山口県、愛媛県、高知県の施設を訪問し、候補者の定着状況および平成25年1月の介護福祉士国家試験に向けての準備状況について候補者および各施設の教育担当者に聞き取りを行った。 ・追跡対象としている49人の候補者とは郵便およびインターネットを通じて日常的に連絡をとり、中途帰国者がいれば随時把握した。必要に応じて、候補者と施設との間のコミュニケーション支援(通訳・翻訳)を行った。 ・平成25年1月の介護福祉士国家試験の結果が同年3月末に発表され、追跡対象とした49人のうち9人が合格した。 ・中途帰国者20人のうち、すでに第三国へ移動した人は4人にのぼる。そのうちの1人をアラブ首長国連邦・ドバイに訪問した。ドバイではフィリピン人看護師の雇用が多く、病院勤務の看護師のうち7割がフィリピン人とのことだった。本研究の追跡対象者でドバイへ移動した1人は看護師資格を持たず、住込みの介護士をしていた。同国では介護士は無資格で働ける非技能職であり、民間企業の仲介によりフィリピンから雇用されていた。 ・ドバイで働く看護師にインタビューしたところ、フィリピンからドバイ、ドバイから英語圏の移民受け入れ国(アメリカ、イギリス、カナダ等)へと多段階移動をする看護師が多いとのことだった。日本もドバイと同様に、最終目的地へのステップとして経済連携協定の枠内で来日・就労している人びとがいることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
地方都市・過疎地における外国人介護士候補者の定着につき、3年間の追跡調査を終えることができた。当初から追跡対象の49人のうち、合格者人、中途帰国者20人という数値を得ることができた。また、平成25年3月時点で日本に残っている29人とも連絡を取り続けており、同地での定着および国家試験合格までの道のり等について、今後、聞き取り調査を行う目途がついている。
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Strategy for Future Research Activity |
・介護福祉士国家試験の合格者9人を対象に聞き取り調査を行い、今後の経済連携協定による外国人介護福祉士候補者受け入れおよび試験合格への示唆を得る。 ・3年間の追跡調査の成果を学会・シンポジウム等で報告し、その後、論文にまとめる。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
・平成25年度が、本研究の最終年度となる。東京で開催する本科研研究会の旅費に加え、日本での就労を継続している介護福祉士候補者への訪問調査および学会・シンポジウム等での成果報告のための旅費を支出したい。 ・成果報告にともなう翻訳料、印刷・郵送費も支出予定である。
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Research Products
(14 results)