2013 Fiscal Year Annual Research Report
熟練介護職員のキャリア形成からみた認知症ケアに関する研究
Project/Area Number |
23530727
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Research Institution | Iwate Prefectural University |
Principal Investigator |
鈴木 聖子 岩手県立大学, 社会福祉学部, 教授 (40305272)
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Keywords | 介護福祉士 / 体系的研修 / 利用者との関わり |
Research Abstract |
研究目的 認知症高齢者に質の高いケアを実践している熟練介護職員とはどのような人を言うのか、この問いかけについてはこれまでほとんど研究の蓄積は見当たらない。経験を積むことはケアの質をあげるためには必要不可欠ではるが経験年数とは必ずしも一致せず、どのように経験を積むかが重要である。今回熟練介護職員とはどのように経験を積んできたひとたちなのかという視点にたち、熟練にいたるまでのキャリア、熟練といわれる職員のケアへの認識、態度について明らかにすることでより実践に即したキャリア開発の提案をする。 研究方法 熟練介護職員とは、特別養護老人ホームの責任者が「良いケアを実践している」と判断した人とし、質問紙調査(全国調査900名、有効回収率30.7%)とヒアリング調査(3名の職員)を行った。 結果 質問紙調査の結果、熟練介護職員のおよそ90%は介護福祉士の資格を有し、30歳代が多いことから資格所有との関連は大きいと言える。また就業後1から5年程度の期間に最も大きな影響を受けた研修を受講しておりこの期間の体系的な研修受講の重要性が示唆される。研修内容は、認知症ケアに関するものが最も多く、大きな影響を受けた研修も認知症ケアに関するものが多かった。上司や先輩からの影響はキャリア形成において大きく関わっていると考えられ職場内の意図的な機会教育や日常の職場教育の必要性は大きい。しかし、職場内における個別的体系的な教育の機会は十分とは言えず、今後の課題である。ヒアリングの結果であるが、利用者との関わりについて「共に」「創り出す」「予測する」「受け止める」「あらわす」「移す」という6つのカテゴリが抽出された。たとえば「移す」の内容については居場所、他の職員に介護を、感情をコントロール(調整:移す)などである。
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