2014 Fiscal Year Annual Research Report
障害者福祉施設のためのデザインマネジメントによる経済自立支援手法の研究
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23530733
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Research Institution | Shizuoka University of Art and Culture |
Principal Investigator |
高山 靖子 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 准教授 (80460517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古瀬 敏 静岡文化芸術大学, デザイン学部, 名誉教授 (60367597)
池田 千登勢 東洋大学, 公私立大学の部局等, 准教授 (40434063)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | インクルーシブデザイン / ユニバーサルデザイン / デザインマネジメント / 障がい者 / 福祉就労 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、障害者福祉事業所(作業所)に対する継続的な自立支援のありかたのひとつとして、経済的な自立に焦点を当てたデザインマネジメントによる支援をユニバーサルデザインマネジメントと定義して、その方法論の確立を試みた。 まず、国内で実施された経済自立支援の成功事例について23年度から24年度にかけて調査を行い、5つの成功要因を抽出した。その結果をもとに、24年度と25年度には、得られた成功要因に対して寄与した地方自治体のサポートが何であったのかを分析し、5つの成功要因とそれに対してなすべき5つの支援について知見を得た。これをさらに掘り下げ、各事例で行われた支援を5つの支援ごとに横断的に分析し、施設運営におけるマネジメントの問題点とともに、関係機関の役割や今後の課題について明らかにした。この結果から、受け入れる社会やパートナーとなる民間会社側にもお互いの理解やその準備が必要であることや、行政や地域の高等教育機関がこれをつなぐ役割となることが重要であるとし、この支援のありかたをインクルーシブデザインマネジメントと定義しなおして、その方法論とともにこれを論文として発表した。 研究の最終段階として、25年度までの調査と分析を共同研究者内で照合すると、一致して、経済自立支援と福祉就労という本来の障害者福祉施設の目的との間に生じる齟齬の問題が浮かび上がった。そこで、26年度では、これまでの研究結果に福祉就労という視点を加え、福祉就労としての事業を行いながら社会とつながりを持つ障害者福祉事業所の事例についても考察し、論文として26年度末にIASDR2015(Brisbane)に投稿した。
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