2013 Fiscal Year Annual Research Report
精神疾患早期支援のための思春期・青年期過渡的プログラム開発に関する研究
Project/Area Number |
23530742
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
藤島 薫 東京福祉大学, 社会福祉学部, 准教授 (90530121)
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Keywords | 早期支援 / 思春期・青年期 / 過渡的支援 / 複合的支援 |
Research Abstract |
本年度は研究の最終年度にあたり、開発した思春期・青年期過渡的プログラムの試行的介入を行い、その効果について検証することが主要な目的であった。わが国で適用可能なプログラムとして「若者と家族のリカバリープログラム」を開発し放課後等デイサービスを活用して実施した。プログラム参加者はメンタル及び行動に課題を持ち、学校・社会への適合に困難を抱えている中学生4名とその家族で福祉機関からの照会である。若者プログラムは全6日間の集中型でランチシェアを含めると5つのセッションから構成され、リラクゼーション、感情マネジメント、社会生活スキル、認知トレーニング、創作活動、身体活動などを若者が関心を持つようにウォーミングアップ、ゲーム、グループワークを取り入れて展開した。介入に先立って、スタッフ研修を行い準備した。家族プログラムは心理カウンセラーおよび精神保健福祉士により、全3回の面接を行った。 若者プログラムの参加者は身体的不調や学校での不適応、コミュニケーションスキルの不足など様々な課題を持っており、時として不適切な感情表出や関係性によって危機的なこともあったが、本来一人一人の若者に備わっていたストレングスとグループの力によって、成長していく姿を確認することができた。家族プログラムにおける面接では、課題を持つ子どもとうまく関わることのできない葛藤、学校と教員に対する不満、子どもの将来について、そして保護者である母親自身が抱える心理的課題などに対しての相談援助を行った。「子どもを肯定的に捉えることができるようになった」、「自分自身の悩みを聞いてもらえてうれしかった」、「考え方に幅がひろがった」、「具体的な対応方法を知ることができた」などの回答を得ることができた。今後、プログラムの内容が若者のニーズに適切なものとなっていたのか、時間や回数などについて検討をし、プログラムの改善を進めていく。
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