2013 Fiscal Year Research-status Report
韓国における学校社会福祉事業に関する研究~政策と実践の関係性の視点から~
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23530747
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Research Institution | Tokyo University of Social Welfare |
Principal Investigator |
大門 俊樹 東京福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (80594647)
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Keywords | 国際研究者交流 / 国際情報交流 / 韓国 |
Research Abstract |
平成25年度はWe-start事業及びDream-start事業をはじめとして、韓国学校社会福祉事業全般についての研究を行った。前年度全訳した「韓国学校社会福祉現場実習指導マニュアル」と、6月に行った韓国現地調査をもとに、7月の日本学校ソーシャルワーク学会において、「韓国における学校社会福祉現場実習指導マニュアルから学ぶこと~準備段階の内容から~」と題して学会発表を行った。 8月の韓国調査では、韓国学校社会福祉士協会(以下協会)関係者からの聞き取り、現職学校社会福祉士からの聞き取り、韓国側研究者からの聞き取りを中心に行った。また、両国の福祉教育に関する情報交換と研究打ち合わせなども行った。帰国後、調査時に入手した「私たちがつくる幸せな世界」の事業報告書並びに教科書の翻訳作業を行った。 9月の日本社会福祉学会においては、「韓国における学校社会福祉現場実習に関する研究―指導マニュアル初期段階の内容から―」と題して学会発表を行った。11月の日本福祉教育ボランティア学習学会においては、「韓国における学校社会福祉士による福祉教育実践―私たちがつくる幸せな世界事業を通して―」と題し、学会発表を行った。 3月には、自身が行う研究内容も加味しながら、「韓国における学校社会福祉士へのスーパービジョン調査報告」を、『スクールソーシャルワーカーのスーパービジョン研究―日本・アメリカ・カナダ・韓国での調査報告―』(基盤研究B「スクールソーシャルワーカーの専門性向上のためのスーパービジョン・プログラムの開発、研究代表者:門田光司)の一部として発表した(p.50~140)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、平成25年度までの研究期間であったが、報告書作成の時間を確保するため、1年延長することを認められ、平成26年度をかけて報告書等を作成することとした。 やや遅れた理由としては、①所属大学の通学課程の日々の授業、担当する4年生への指導、通信教育課程のスクーリングや実習指導をはじめとする学生指導など、業務多忙であったこと、②分担者となっている「スクールソーシャルワーカーの専門性の向上のためのスーパービジョンプログラムの開発」(基盤研究(B)、研究代表者:門田光司)の報告書作成準備に時間を割かれたことが挙げられる。また、韓国語文献の翻訳に時間を費やしたことや、韓国学校社会福祉事業自体が過渡期を迎え、縮小する事業や改変の動きもあり、調査も難しくなっており、調査回数も2回にとどまったことも挙げられる。 しかし、今年度も、韓国調査の結果も踏まえ、3回の学会発表を行うことができている。また、韓国協会関係者や研究協力者との関係性も強めることができ、これからの研究の方向性を定めることができている。平成26年度は最終年度となるため、4か年の集大成として、学会発表や報告書作成など、より計画的かつ積極的に研究を進めるとともに、これからの日韓研究交流の道筋をつけていきたいと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、当初研究計画を立てた各事業の現状を再確認するための調査・研究を行い、4か年のまとめ作業を行っていく。文献研究を継続するとともに、8月に現地調査を行い、協会関係者との打ち合わせ、各事業関係者や学校社会福祉士へのヒアリング等を通して、まとめに関する確認を行っていく。同調査においては、学校社会福祉士へのインタビューを通して、韓国における人材育成の要である現職学校社会福祉士や実習生へのスーパービジョンについての調査を行う。さらに、今後の共同研究のテーマとなりうるいじめ・学校暴力予防や学校社会福祉事業における福祉教育実践に関する研究打ち合わせも行っていく予定である。 8~12月には、調査のまとめを行うとともに、4か年の調査に関するまとめを行い、今後の研究の方向性についてまとめるため、報告書を作成し、関係学会における口頭発表や学会誌への投稿準備も積極的に行う。 1月(予定)には、韓国で学校社会福祉士協会関係者及び研究者への最終ヒアリングを行い、協力者へのお礼をする。3月には、報告書を完成させ、研究結果を考察するとともに、今後の研究課題を明確にし、次回研究へつなげていく。また、次回研究のテーマとなるいじめ・学校暴力予防の日韓共同研究についての打ち合わせについても同時期に並行して行っていく。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
平成25年度は韓国への調査旅費、国内学会での発表のための旅費、韓国語文献の翻訳料など、前年度に比べて積極的な予算執行を行った。平成25年度の未使用額110,683円は、研究期間を1年延長したため生じた金額である。 1年間の研究期間延長が認められたため、平成26年度は未使用額110,633円を主に、韓国への調査費と報告書作成費に充てる予定である。国内学会での発表のための旅費や翻訳料など、その他の費用については学内研究費を主に使用する計画であり、未使用分の科学研究費については本年度中に確実に執行できる予定である。
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Research Products
(3 results)