2012 Fiscal Year Research-status Report
大学の学部教育における終末期ケアに関する社会福祉士教育の実証的研究
Project/Area Number |
23530749
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
村上 信 淑徳大学, 社会学部, 教授 (90333260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱野 強 島根大学, プロジェクト研究推進機構, 講師 (80410257)
宮下 栄子 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (70440477)
松井 奈美 日本社会事業大学, 社会福祉学部, 准教授 (00331364)
熊谷 忠和 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 准教授 (30341655)
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Keywords | 実践力 / 終末期ケア |
Research Abstract |
社会福祉士の養成を意図した学部教育においては、倫理観や死生観の構築が非常に重要である。その背景には、近年、援助者自身の死生観の未熟さ、利用者と共に死をみつめることへの恐怖や困難さ、さらに援助者が燃えつき症候群に陥ること等が指摘されている。そうしたなかで、研究代表者は「終末期ケア」の習得を意図した学部教育の必要性を認識し、新卒の社会福祉士に焦点をあて、「終末期ケア」をどのように認識・実践しているか明らかにすることを通して、「終末期ケア」教育において必須となる要件を明らかにすることを目的とする。 そうした中で本年度は、学部学生を対象としたアンケート調査の解析を通して、「終末期ケア」や「死生観」の醸成を意図した教育プログラムのあり方について検討を行った。具体的には、視聴覚教材を活用した教育プログラムについて検討を行い、その結果、視聴覚教材を活用した教育では一時的な意識の変容や過度な教育効果を示すことが考えられることから、「死」を現実の出来事として受け入れることが可能となる教育内容を合わせて実践することで学生の死生観がより深まることが考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は、「終末期ケア」教育において必須となる要件を明らかにすることである。そうした中で、アンケート調査やヒアリング調査を実施し、学部教育において有益と考えられる必須要件の概要が明らかとなっている。さらには、こうした知見を踏まえて、教育プログラムの検討を深めており、具体的な教材についての議論を進めてきた。以上より、次年度の研究を通して当初の目的が達成できる見込みがあることから、おおむね順調に進展していると評価する。
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Strategy for Future Research Activity |
平成23年度、24年度で得られた知見を踏まえて、大学の学部教育において有益と考えられる「終末期ケア」の必須要件を明らかにするとともに、そのための教育プログラムの概要を示す。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、最終年度であることから研究成果の取りまとめに要する謝金や、必要に応じて会議を開催する場合の旅費、及びそれにかかる消耗品(主に文具)へ研究費を支出する計画としている。
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