2013 Fiscal Year Annual Research Report
大学の学部教育における終末期ケアに関する社会福祉士教育の実証的研究
Project/Area Number |
23530749
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Research Institution | Shukutoku University |
Principal Investigator |
村上 信 淑徳大学, 社会学部, 教授 (90333260)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
濱野 強 島根大学, 学内共同利用施設等, 講師 (80410257)
宮下 栄子 新潟医療福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (70440477)
松井 奈美 植草学園短期大学, その他部局等, 教授 (00331364)
熊谷 忠和 川崎医療福祉大学, 医療福祉学部, 教授 (30341655)
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Keywords | 実践力 / 終末期ケア |
Research Abstract |
社会福祉士の養成を意図した学部教育においては、倫理観や死生観の構築が非常に重要である。その背景には、近年、援助者自身の死生観の未熟さ、利用者と共に死をみつめることへの恐怖や困難さ、さらに援助者が燃えつき症候群に陥ること等が指摘されている。そうした問題意識に基づき、本研究課題では、終末期ケア教育のあり方について検討を進めてきた。本年度の研究は、昨年度までの死生観に関する学生の認知に関する研究成果を踏まえて、死生観の情勢を意図した教育プログラムの実践とその有用性の評価を行った。具体的には、平成25年5月~7月にかけて死生観教育の実践を試みた。授業方法は、講義形式・グループワーク形式(計16時間19単元)であり、1.死をどのように考えるか(インドベナレスの死の家)、2.死と社会(戦争と死)、3.終末期に関する用語解説、4.死を迎える場所(孤独死、ホームレスと死)、5.老人漂流社会、6.親を家で看取る(在宅介護クライシス)、7.施設における看取り、8.医療保険と介護保険からみる看取り(重症加算・看取り加算)、9.施設における終末期ケアと臨終期の対応、10.臨終期の身体の変化と対応、11.臨終期の環境整備とケア、12.キューブラロス・佐々木氏の死への段階、13.死期の7つの不安、14.死と希望・事例検討、15.エンゼルケアの技法、16.グリーフケア・残された家族支援、17.死後のカンファレンス、18.終末期の食事(意味づけと)演出、19.まとめ、とした。その結果、死生観の中でも「死への恐怖・不安」「解放としての死」「人生における目的意識」において変化を認め、教育プログラムの一定の有用性が認められた。今後は、同様の教育を広く実践し、その妥当性の検討及び、教育を受けた学生のフォローアップを通して、教育の意義について検討を深めていくことが必要である。
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