2013 Fiscal Year Annual Research Report
「潜在的介護福祉士」の職場復帰支援に関する実証的研究
Project/Area Number |
23530753
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
佐藤 可奈 聖徳大学, 心理・福祉学部, 助教 (90595894)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 公矢 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (50167483)
赤羽 克子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (90369398)
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Keywords | 医療・福祉 / 介護福祉士 / 社会学 |
Research Abstract |
わが国は少子高齢化と人口減少により、介護職の人手不足は深刻さを増している。このような状況のなか、介護人材不足による介護崩壊を回避するため、潜在介護福祉士に対する職場復帰を求める声がある。実質的に就労可能な潜在介護福祉士の実態を正確に把握することが介護崩壊を回避する重要な選択肢だと考える。本研究は、潜在介護福祉士に着目し、その実態把握を通して問題の所在を明らかにし、彼らが職場復帰するために必要な支援のあり方を検討することを目的とした。 平成23年度は、介護福祉士養成施設において介護福祉士資格を取得した1402名を対象に質問紙法による量的調査を実施した。得られた回答をデータ化し、基礎集計を行うことで、介護福祉士養成施設を卒業した介護福祉士の卒業後の生活実態の把握が可能となった。 平成24年度は、平成23年度に実施した質問紙法による調査結果のさらなるデータ分析を行い、潜在介護福祉士が輩出される要因を検討した。また、31名の介護福祉士養成施設卒業生から協力が得られ、インタビューによる質的調査を実施した。 平成25年度は、平成23、24年度に実施した質問紙調査及びインタビューによる質的調査のデータ分析を進めた。その結果、潜在介護福祉士の介護現場への職場復帰可能性は低く、現状では介護人材不足を補うための方法として多くを期待することはできないことが示唆された。他方、子育てを理由に現在就労していない潜在介護福祉士に対して働きやすい環境を整えることで、彼らが職場復帰を果たす可能性が明らかとなった。ただし、子育て中の潜在介護福祉士が提示する復帰のための4条件(労働環境の整備、休日の保障、子育て支援態勢の整備、給与の引き上げ)が解消されなければ職場復帰は困難である。この研究成果について、日本介護福祉学会にて口頭発表(平成25年10月)、聖徳大学研究紀要にて論文発表(平成26年3月)を行った。
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Research Products
(2 results)