2013 Fiscal Year Annual Research Report
保育所における1,2歳児担当保育者の疲労感と子どもの心身の安定に関する研究
Project/Area Number |
23530754
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Research Institution | Seitoku University |
Principal Investigator |
西 智子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (70383445)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高尾 公矢 聖徳大学, 心理・福祉学部, 教授 (50167483)
高橋 健一郎 聖徳大学, 児童学部, 講師 (10588122)
宇佐美 尋子 聖徳大学, 心理・福祉学部, 助教 (30581962)
津留 明子 聖徳大学, 児童学部, 准教授 (30439004)
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Keywords | 子どもの安定 / 保育者の疲労 / 疲労軽減 / 保育所 / 0.1.2歳児 / 仕事の改善 / 保育集団の規模 |
Research Abstract |
本研究は保育所に働く保育者の疲労感が子どもの心身の安定にどのように影響しているのかを保育者の仕事に着目し、保育の質を保ちながら子どもが安定して過ごすための条件を検証するものである。一次調査から得られた知見をもとに、昨年度は二次調査を実施した。(928保育所、7,289人回答)疲労感の高い保育者は子どもの状態を不安定と捉えること等が確認され、疲労感は子どもの的確な把握を阻害する要因ともなりうることが示唆された。(H23、24年度は日本子ども家庭福祉学会、全国保育士養成協議会にて継続発表) H25年度は疲労感に関連する要因を中心に分析を行なった。(日本子ども家庭福祉学会・日本心理学会発表)保育者は疲労感がもたらす保育への影響を強く感じており正規保育者の疲労は短時間で回復しない傾向にあった。原因としては、子どもの対応に加え事務量・保護者対応・安全面等の責任の重さがあげられ、非正規保育者と雇用形態による差がみられた。疲労軽減に効果的な要因に関しては、若手と中堅職員というように年代・経験年数により軽減すべき内容の違いが明らかになった。疲労感は担当年齢・人数、時間帯により異なること、子どもの状態の個別把握は一定の人数を超えると著しく困難になり、特に1歳児担当に顕著なこと等、保育の規模による質の確保の差異も認められた。 以上の結果より、①子どもの安定を図るためには、子どもの状態の判断に影響を与えている保育者の疲労感の低減を図ることが必要である②保育の質を保つためには、疲労軽減効果を持つ要因への取り組みが重要であり、その際は年代や雇用形態による違いを踏まえ対応する必要がある③クラス規模が疲労と子どもの状態の判断に影響するため、規模と職員構成を考慮した保育体制の見直し及び子どもの動きを考慮した保育室が必要であることの3点が明らかとなった。保育現場で取り組むべき課題の根拠を得ることができた。
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Research Products
(5 results)