2013 Fiscal Year Annual Research Report
日本のソーシャルワークにおけるコンサルテーションモデルの構築
Project/Area Number |
23530757
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Research Institution | Showa Women's University |
Principal Investigator |
北本 佳子 昭和女子大学, 生活機構研究科, 教授 (30296363)
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Keywords | ソーシャルワーク / コンサルテーション / 連携 / 協働 / 組織 |
Research Abstract |
平成25年度の最終年度においては、平成23年度と平成24年度に実施した文献研究とインタビュー調査等の結果に基づき、ソーシャルワーカーが関連専門職等と連携・協働をする上で行うコンサルテーションは、双方向性をもつという視点(相互コンサルテーションの視点)と、そのプロセスと関係性に注目した視点(プロセス・コンサルテーションの視点)を取り入れたアンケート調査を日本ソーシャルワーカー協会の会員を対象に実施した。その結果、人間関係の熟知に基づく調整や配慮、他職種の面目保持、感情への配慮等がソーシャルワーカーによって実践されており、「プロセス・コンサルテーション」が実際に行われていることが検証された。そのほかにも、「代弁的なコンサルテーション」がソーシャルワーカーによって行われており、それがよりよい利用者支援につながっていることが確認された。また、実践現場では、従来の日本の研究やテキスト等で言われているような専門職間におけるコンサルテーションに止まらず、地域住民やボランティア等のインフォーマルな人材に対しても、ソーシャルワーカーによるコンサルテーションが行われているという実像が確認された。さらに、ソーシャルワーカーが経営者や上司に対するコンサルテーションを行うことの意義についても確認された。 全体として、3年間の研究助成を通して、日本のソーシャルワークにおけるコンサルテーションとして、従来のソーシャルワークの研究では取り上げられることのなかったプロセスコンサルテーション・モデルや代弁的コンサルテーションの有効性をその実態から明らかにした。今後はそれらのさらなる検証と、専門職間だけでなく、住民やボランティアに対象を広げたコンサルテーションの研究と、組織の経営・管理面に関するコンサルテーションに関する研究を進めてくことが課題である。
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