2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530765
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Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
木村 真理子 日本女子大学, 人間社会学部, 教授 (00266462)
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Keywords | 当事者参加 / 精神保健サービス / コンシューマー参加 / ユーザー参加 / 精神保健福祉サービス / メンタルヘルスコンシューマー / 精神障害リハビリテーション |
Research Abstract |
平成25年度の研究実績概要は次のとおりである。1)調査研究:Consumer によるビジネスや支援活動に関する先行研究のレビューをさらに深めた。2)当事者活動実態を活動事例の内容の精査と特徴の抽出:特に先進的活動を評価するという形式で行っているリリー賞を含む当事者の活動事例について、内容の検討を行い、特徴となる要素を抽出した。3)講演:精神保健福祉学会(2013年6月28日、ラフレさいたま)にて「精神保健福祉の近未来」と題するシンポジウムでこれまでの研究実績にかかわる報告をする機会を得た。筆者の担当テーマは、カナダの精神保健福祉の未来像であり、カナダの精神保健福祉政策から日本の近未来を予測することであった。この報告に際して北米の当事者参加の政策動向、精神保健福祉政策・サービスの変革を求める世界動向の影響下にあるアメリカ、カナダの精神保健福祉サービス動向をレビューした。脱施設化達成後の精神保健政策の焦点は健康の向上に移行した。上記の1)から3)の作業から、新たな日本の精神保健福祉政策課題、本研究への示唆を得ることができた。文献研究から、精神保健福祉サービスの向上および当事者の関与の幅を広げる動向は確実に増え、この種の研究も以前に比べて増加傾向にはあるが、メインストリームの研究やサービスに比べればその割合は相対的に限られている。例えば、Simpson, &House(2002)と Crawford, et al.(2002)の研究で、前者は過去10年にわたる研究のレビューを行い、無作為抽出実験研究法による比較研究レビューの結果を示している。また、後者は、質的研究を過去20年にわたる研究のレビューから考察した。この2つの研究および考察から引き出された結論はユーザー関与のもたらす影響は肯定的であるものの、研究例が少ないため、当事者が自らサービスを行う事業の成果評価に関する結論および政策提言を導き出すことは困難であるとの結論を示している。
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