2011 Fiscal Year Research-status Report
障害児の里親養育拡充をめざして-日中比較調査とライフストーリーワークによる支援
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23530771
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Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
川名 はつ子 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (50091054)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 障害児 / 里親養育 / ファミリーホーム / 国際比較 / 中国 / 発達障害 / ライフストーリーワーク / 子どもの権利 |
Research Abstract |
1.中国上海市の華東師範大学を9月に訪問し、中国の要養護児童について曽凡林教授(特殊教育・臨床心理部門の担当責任者)から概説していただき、子どもの権利を基盤に据えた共同研究に備えて打ち合わせを行なった。2.里親養育推進モデル事業の都市型を担って成果をあげている中国上海市の児童福利院を訪問し、里親委託管理事務所のソーシャルワーカーから、具体的な取り組みについて連携研究者*とともに聞き取り調査を実施した。3.カナダで7月に開かれた第16回世界里親大会(IFCO)に参加し、障害児の里親養育に関する国際的な動向調査に着手した。カナダやオセアニアで採用され効果をあげている親族里親や、ファミリーグループカンファレンスなどの知見を得た。日本からの多数の参加家族との交流も活発に行なうことができた。4.国内の社会的養護の現場(里親家庭、養子縁組家庭、ファミリーホームおよび乳児院や児童養護施設)を訪問し、障害児の養育事例のインタビュー調査を実施。子ども対象の項目も設け、ライフストーリーワーク(LSW)の視点に立った支援のあり方と課題について探索的な検討を開始した。5. LSWの視点に立った支援を先駆的に行っている児童相談所、研究会を対象に、支援の具体的内容や実施状況、課題等を調査するため支援現場の観察、支援者へのインタビューを実施した。6.2009年度日本グループホーム学会調査の自由記述欄を解析し、結果を同学会の報告書に掲載した。 *連携研究者の金潔は、2011年4月から大正大学人間学部に所属変更となった(2010年の申請時には岡山県立大学保健福祉学部に所属)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
東日本大震災の影響で、海外との連絡・交流が一時困難になった。また中国国内では会見を申し入れていた担当者の人事異動のために急に連絡が取りにくくなった地域・部署もあって、予定通りに訪問・見学できなかった。
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Strategy for Future Research Activity |
中国で要養護児童のケアにあたっている各地の児童福利院に、共同研究者の華東師範大学曽凡林教授等を通じて申し入れることで、香港・青島など、昨年実現しなかった地域の訪問調査を実現する。また、第17回IFCO大会が日本の大阪で開催される予定となったため、その準備の一端を担いながら、国内外で障害児の里親養育の環境整備のための研究を進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
昨年度使い残して繰り越された旅費は、中国各地への調査旅行に充てる。その他、成果発表や資料収集のための国内外の学会参加費や、インタビューデータの逐語録作成のための謝金に使用する。
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