2011 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
23530772
|
Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
越田 明子 長野大学, 社会福祉学部, 准教授 (70352458)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
|
Keywords | 小規模自治体 / 過疎高齢化 / 介護・福祉運営 / 介護保険 / 社会福祉 / 高齢者生活福祉センター |
Research Abstract |
本研究は、全国の中で最も小規模自治体数の多い長野県をフィールドとし、対象となる町村の介護保険事業と独自の福祉サービスの関係を明らかにしながら、高齢者の継続的地域居住を支える小規模自治体の福祉運営のあり方について検討することを目的としている。一般的には、人口1万人以下の自治体を小規模自治体とよぶが、本研究においては人口5,000人以下、高齢化率40%以上の自治体を対象とした。 初年度である平成23年度は、1.長野県内の全市町村における小規模自治体について、県内市町村データから、その特徴や位置づけを明確にすることを試みた。小規模自治体の多くは、人口減少、高い高齢化率、低い財政力といった共通の特徴がみられるが、同じ小規模自治体であっても、介護保険給付や利用料、介護サービス量にいくつかの特徴がみられた。平成23年度は、第五期介護保険事業計画の策定にあたる年であり、次年度からの介護保険料が大きく上昇する小規模自治体も出現し、財政力や高齢化率等の他に、介護保険給事業状況報告における給付の特徴や保険料も含めて、再類型することとなった。あわせて、2.小規模自治体の、高齢者の実態と介護・福祉運営については、当初予定数以上の自治体担当課から協力を得ることができ、過疎地域限定で設置された高齢者生活福祉センター(生活支援ハウス)の運営実態から高齢者の必要や自治体の意向等について調査をはじめた。都市と異なる過疎高齢地域の福祉運営の側面を描くために"高齢者の必要と負担"、"自治体負担"の2つの視点から研究をすすめている。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究目的の達成度は、やや遅れている。 平成23年度は、基礎データの収集と分析枠組みの検討に時間を費やした。県内市町村における小規模自治体の位置づけを確定することは、調査対象自治体の選定や今後の研究計画にも影響する。したがって、平成23年度の第五期介護保険計画策定にかかる背景も踏まえた類型を示したほうがよいという状況にある。近日データの収集に関しては、公開情報に加え、各自治体に協力を得ながら精査することが望まれ、訪問調査と合わせて調整することとなった。 また、研究対象としている小規模自治体が県内中山間地に分散しており、気象条件等の理由で自治体内事業所等への訪問調査が困難となったことに加え、定性調査にかかる分析枠組みの確定が遅れたことから、訪問調査時期を平成23年度末から平成24年度へと変更した。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究対象としている小規模自治体が県内中山間地に分散しており、気象条件等の理由で自治体内事業所等に対する平日の訪問調査が困難となったことがあった。加えて、定性調査にかかる分析枠組みの確定が遅れたことから、訪問調査時期を平成23年度末から平成24年度へと変更した。これらのことから次年度研究費が発生した。 次年度は、中山間地の小規模自治体における介護・福祉等の訪問調査を主として実施する予定である。
|
Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度は、小規模自治体への訪問調査に多くの研究費を使用する。また、研究経過に即して専門家の助言をうけることと、成果の発表にも使用する。
|