2013 Fiscal Year Annual Research Report
専門家としての自己生成プロセスにおける「痛みを伴う臨床体験」がもつ意味の探求
Project/Area Number |
23530775
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Research Institution | Seirei Christopher University |
Principal Investigator |
福田 俊子 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 准教授 (20257059)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 明子 聖隷クリストファー大学, 社会福祉学部, 助教 (20410508)
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Keywords | ソーシャルワーカー / 専門職業的自己生成 / 節目 / 事例研究 |
Research Abstract |
本研究は、精神保健福祉領域のソーシャルワーカーの「痛みを伴う臨床体験」に注目し、このような体験が社会福祉専門家としての自己生成プロセスにおいて、どのような意味をもつのかを解釈し、記述することを目的として進めてきた。しかしながら、昨年度に実施したインタビュー調査によって得られたデータを分析した結果、専門職業的自己生成プロセスで重要となる臨床体験は、必ずしも「痛み」を伴うものばかりではないことが明らかとなったため、調査の焦点を「節目」となる臨床体験にまで拡大して取り組むこととした。 今年度は、17名の調査協力者に対するインタビュー調査を全て終了した後、データを分析し、総括した。分析にあたっては、現象学の知見を手がかりとしながら事例研究法を用いた。一人の調査協力者の臨床体験を事例として分析する場合には、臨床経験が、①35年以上、②20~34年、③8~19年、という3つの区分を設定し、データをまずは分類した。次に、物語としての一貫性を担保するために、各区分のデータに示される「節目」の体験、とりわけ「専門家になる手前にある事象」に焦点をあて、それらがいかなる時期にどのように生起しているかを整理しつつ、各体験や事象に通底する概念を検討し、自己生成プロセスの構造を記述した。 さらに、複数の調査協力者によって同様に語られる臨床体験については、その体験そのものを事例とし、具体的には、語り口に特徴的な言葉の使い方や言い回しに注目しながら、浮かび上がってきたデータのまとまりを全体の文脈の中で捉えなおし、データのまとまり同士を結びつける概念を検討し、記述した。 なお、本研究の成果は、2014年度の『聖隷社会福祉研究』『聖隷クリストファー大学社会福祉学部紀要』などへ投稿する予定である。
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Research Products
(3 results)