2012 Fiscal Year Research-status Report
大都市における単身の要援護状態にある低所得高齢者が必要とする支援に関する研究
Project/Area Number |
23530783
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
原田 由美子 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (60342292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 康友 中部学院大学, 人間福祉学部, 講師 (80369701)
難波 利光 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (10382798)
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Keywords | 国際情報交換 |
Research Abstract |
今年度は研究目的のいわば柱となる調査を2つ実施した。1つは研究代表者と連携研究者の綾部貴子を中心に、量的調査を行った。介護保険制度等の既存の制度を利用するほどではないか、必要であっても利用していな人たちへの調査は、調査対象の把握と調査協力を得ることが難しく、NPO法人等の自主的な支援を受けている対象者から協力を得て実施した。上半期は、調査票の作成に当たって、エキスパートレビューを3か所のNPO法人の協力を得て行い、調査票を完成させた。下半期は調査の実施に当たって、日頃から信頼関係を築いている職員に調査協力を依頼したので、調査協力者に対する説明を行い、調査を実施した。多忙を極める職員の協力を得て実施したので、当初の予定よりも回収率は低く、65%弱に留まったが、支援を行うNOP法人の実情も把握できた。 2つ目は、韓国調査である。韓国は日本以上に高齢化のスピードが速く、少子化においても日本を上回り、核家族化の進行、単身高齢者世帯が増加している。また、日本の介護保険制度を参考として、長期療養保険(韓国版介護保険)をスタートさせている。このよう状況の韓国における都市部の単身の低所得の要援護状態にある高齢者への支援状況に関する調査を行うため、研究機関(大学)、社会福祉法人、NPO法人、社会的企業の管理職や職員、支援を受けている高齢者に対するインタビュー調査を韓国調査の主たる担当者である新井康友を中心に研究協力者である稲本悦三並びに織田隆之の協力の下に実施した。 以上の研究結果の分析を主に担当した連携研究者である綾部貴子とともに進めた。そして、成果発表を行うための準備ならびに積み残した課題の整理と遂行、研究のまとめを行うための準備を進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
現在の達成状況は、研究1年目の終わりに研究代表者が骨折事故に遭ったことも影響して、若干の遅れがでたが、2年目においては、研究の柱である都市の要援護状態にある単身の低所得高齢者に対する量的調査と、韓国都市部の研究機関、社会福祉法人、NPO法人等に対する調査を実施するなど、遅れをかなり取り戻すことができた。しかし、研究時間の確保や研究者間の時間の調整、および韓国の調査対象機関との調整が難しく、韓国調査の時期を年度の終わりの2月末に設定せざるを得ず、調査結果の分析を現在行っているところである。また、上記の量的調査票の回収についても、調査協力者の所属団体事情や職員の時間の確保が困難であったために時間を要し、若干の遅れが残った。そのため、分析に鋭意取り組んでいるところである。また、日本の自治体や支援組織に対するヒヤリングを担当している分担研究者の難波利光が体調不良のため、これについては大幅な遅れがでているが、現在体調が回復し、取り組みを進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の最終年度においては、調査結果の分析と考察、学会等での成果発表、積み残した課題の進行の大きくは3つを予定している。1つは、都市の要援護状態にある単身の低所得高齢者に対する量的調査を行った結果の分析と考察を連携研究者である綾部貴子とともに進め、分担研究者である新井康友を中心に韓国調査の成果の分析やまとめを行い、成果発表の準備を韓国調査担当者が個々に進める、2つは、日本ケアマネジメント学会、日本社会福祉学会、日本介護福祉学会等での成果報告、シンポジウムの開催などの成果発表を行う。その際、研究協力者として大阪市立大学教授水内俊雄、東洋大学非常勤講師稲本悦三、釜ケ崎のまち再生フォーラム、NPO法人北九州ホームレス支援機構奥田知志、NPO法人ワンファミリー仙台立岡学、NPO法人ふるさとの会瀧脇憲、NOP法人大東ネットワーク小林真等の協力を得て進める。3つは、分担研究者である難波利光が中心になり進めるが、前半は遅れを取り戻すべく、国や自治体の公開データの二次分析や支援団体に対するヒヤリングの実施と分析を行い成果発表につなげる予定である。 特に下半期に集中することになるが、研究成果の発表やシンポジウム等を行う。そして、研究報告書の作成に向けて役割分担により進める。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
研究費の使用計画として、①調査結果の分析と考察のための研究会開催のための旅費、②研究成果報告のための学会の参加費と旅費等、③公開講座やシンポジウムを開催するため、シンポジスト等の招聘のための旅費と謝金と案内状の郵送費、③研究報告書を作成し、調査協力機関や団体等への配布を予定しているので、印刷費や郵送費、の大きくは3つを予定している。
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