2013 Fiscal Year Research-status Report
大都市における単身の要援護状態にある低所得高齢者が必要とする支援に関する研究
Project/Area Number |
23530783
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
原田 由美子 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (60342292)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新井 康友 中部学院大学, 人間福祉学部, 准教授 (80369701)
難波 利光 下関市立大学, 経済学部, 准教授 (10382798)
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Keywords | 貧困 / 社会的排除 / 差別 |
Research Abstract |
大都市の単身の要援護状態にある低所得の高齢者の実情と支援、ならびに地域で包摂されて生活するための課題について研究を進め、成果発表では、日本ケアマネジメント学会、日本老年社会科学会、日本社会福祉学会、日本介護福祉学会で研究代表者、共同研究者、連携研究者が、本研究の研究成果をポスター発表として行った。 研究成果の公表を、京都市で公開講座「都市の高齢生活困窮者支援の最前線」を基調報告とパネルディスカッションという構成で行った。基調報告は、現在の国の支援策の実情と課題、困窮者支援の取り組み状況について、北九州市から奥田知志氏より報告を受けた。パネル・ディスカションでは、コーディネーターを大阪市立大学の水内俊雄氏が行い、研究代表者から公開データ分析に基づく都市の高齢者の生活困窮の実態と本研究の調査結果の報告を、仙台市立岡学氏から単身の低所得高齢者の現状と課題、取り組みの実情について、織田隆之氏から釜ヶ崎の低所得高齢者の実情と課題について、東京都の佐久間裕章氏から地域包括ケアの取り組み状況について報告を受け、ディスカッションを行った。また、大阪市において「釜ヶ崎のまち再生フォーラム」との共催で「都市の生活困窮者支援最前線」をテーマにパネル・ディスカションを行った。コーディネーターをありむら潜氏、パネラーとして大阪における高齢生活困窮者支援の実情と課題について小林真氏、居住支援の実情を中心に稲本悦三氏、大阪釜ヶ崎の取り組みを中心に織田隆之氏、韓国調査報告を共同研究者新井康友氏が行った。 次に、研究の分析を進める中で、孤立に至る要因に加え、社会包摂が進みにくい要因を明らかにするため、質的調査によって行うこととし、平成25年12月から2か月かけて大阪、北九州、仙台、札幌、東京の量的調査に協力を得た高齢者の方々のうち承諾を得られた26名に対して半構造化面接を実施し、現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
遅れている理由は大きくは2つある。1つは、平成23年当初不慮の事故で大腿骨頸部骨折により研究代表者が、公共交通機関を使用して国内外に自由に移動可能になるまでに半年余りを要したため、大幅に研究計画に遅れを生じた。2つは研究の進行に伴って新たに研究対象である都市の単身の要援護状態にある低所得高齢者が地域で孤立せずに生活する点には、孤立しやすい高齢者像をさらに明らかにする必要があり、質的研究として承諾を得られた高齢者へ半構造化面接を実施すことを研究計画に盛り込んだためである。
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Strategy for Future Research Activity |
1.6月から11月にかけて、質的研究結果の分析および量的調査の分析を行い、研究発表および論文執筆を行う。 日本老年社会科学会第56回大会(抄録受理)、日本ケアマネジメント学会132回研究大会(抄録受理)、第22回日本介護福祉学会(予定)、平成26年度日本介護学会(予定)、第19回日本在宅ケア学会(予定)において発表を行い、介護福祉研究Vol22 No.1 2014に投稿中。 2.研究報告書をまとめ、協力団体へのフィードバックを行う。 量的調査、韓国調査、質的調査の研究結果をまとめる予定である。また、シンポジウムの報告内容を掲載予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
先述の通り、大腿骨警部骨折のための入院及び退院後の行動制限により、量的調査、韓国調査に遅れが生じたこと、量的調査だけでは、単身の要援護状態にある低所得高齢者の貧困および孤立の発生過程の要因を事例研究として明らかにするために平成25年12月から2上旬にかけて半構造化面接を行ったため、その分析に時間を要することになったためである。 計画の1つは、平成25年度12月から1月にかけて行った半構造化面接による調査のテープおこしおよび量的調査の追加分析を行うことである。 2つ目は、研究報告書を印刷製本し協力団体等に配布予定である。
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Research Products
(13 results)