2013 Fiscal Year Annual Research Report
外国人介護労働者の送出し受入れ両国における人材斡旋事業者の機能役割
Project/Area Number |
23530784
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Research Institution | Kyoto Women's University |
Principal Investigator |
山田 健司 (山田 健) 京都女子大学, 家政学部, 准教授 (00320664)
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Keywords | 外国人労働者 / 家事労働 / 介護労働 / 人材斡旋事業 / 人身売買 / 国際研究者交流 / 国際情報交換 |
Research Abstract |
人材斡旋事業者の活動実態実地調査の実施地域は、海外においては、①香港行政特別区、②アメリカ領北マリアナ諸島サイパン島、③ミャンマー、④タイ王国、⑤カナダ、⑥フィリピン、以上6カ国。日本国内での介護労働者候補者への聞取り調査および外国人介護者の労働実態調査を国内6都市で実施した。家事介護労働市場が比較的に独立して存在している地域は、東南アジア地域では受入国が台湾、香港、タイ、日本があげられ、送出し国はフィリピン、インドネシア、ミャンマー、ベトナム、インドがあげられる。とくにフィリピンは全世界的に家事介護労働者を供給している。今回の研究調査の範囲では、北米カナダが労働法適用下で家事介護労働者を受け入れている。また外国人労働者供給国として中国が多量の人材を送出している。人材斡旋事業(者)の事業活動は、会社、法人、組合、地域組織、地縁・血縁組織、個人および非合法的組織にまで及ぶ。これらの種別は単性で機能している場合もあれば混合的性質を帯びている場合もある。受入国における労働条件によって具体的には国内労働に対する労働関係法の適用の可否が斡旋事業者の活動内容を規定している。適用国への斡旋事業は法の規定内に留まるが、適用度が希薄なほど労働条件が低下し人権侵害の度合が高まる傾向が顕著である。 日本は介護労働者の実質的に受入れ拒否政策を継続し、超高齢化と労働人口減少にともない介護労働者数は縮小して労働力不足は施設在宅ともに極限状況にある。この現状下でグレーゾーンと非合法外国人労働が医療機関と施設で急速に拡大し、非合法短期就労と人身売買・転売を行う国内斡旋事業者が台頭、その活動は供給国内でもシステム化している。介護保険制度の硬直、国内労働環境低下と職業的地位の向上等の想像的危惧と拒否政策の継続が、外国人人身売買を急激に増加させており、日本の非合法介護労働市場が国内外に形成されつつある。
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