2013 Fiscal Year Research-status Report
社会福祉における宗教性(スピリチュアリティ)の国際比較研究
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23530786
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Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
木原 活信 同志社大学, 社会学部, 教授 (20275382)
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Keywords | スピリチュアリティ / 福祉哲学 / 社会福祉哲学 / Edward Canda / ソーシャルワーク |
Research Abstract |
本研究は、根源的な福祉の深層部分としての価値意識それ自体に焦点をあてたものである。以下の二つの方向で具体的に検証を試みた。一点目は、近代以降に活躍した社会福祉事業家(ソーシャルワーカーたち)の宗教性を分析していき、その教派性や宗教意識(スピリチュアリティ)について思想史的に分析するという点。2点目は、それらをベースに社会福祉におけるスピリチュアリティの国際比較を試みるというものである。 このうち、当該年度においては、日本社会福祉学会において、「社会福祉哲学とスピリチュアリティ」について学会報告を行うなど、研究成果の一部を発表した。そこでは主に、「社会福祉哲学を構想するうえで、重要な要素の一つは人間存在をどう規定するのか、特に社会のなかでそれをどのように規定し、位置づけるのか、という課題」を明示することができた。そしてそのなかで、社会福祉学会で省みられることのない宗教性、スピリチュアリティについて明示した。そして「議論の前提となるスピリチュアリティの定義を議論し、その概念の国際的動向を整理し、社会福祉学(ソーシャルワーク)との関連で位置づけていく。そのことを通して、社会福祉哲学とスピリチュアリティの関係について明示する。」ことができた。 また、韓国で行われた、学術会議でも”Joseph Hardy Neesima and a brief history of social welfare at Doshisha University”と題して、新島襄の宗教性とスピリチュアリティを社会福祉思想との関係を通じてまだ不十分ながらも試論の一部として歴史的に考察することができた。 また、Edward Canda氏の大著の翻訳作業に共同作業として取り掛かり、まだ道半ばであるが、更に次期に向けて難題ではあるが作業は順調に進められているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
国内外の膨大な関連論文、著作、資料収集、そして先行研究の批判的検討に予想以上にかなりの時間を要したが、目下は、ほぼそれらも終え、翻訳作業等によってこれらを補完しつつ、国際的な視座を入れながら、おおむね順調に研究をすすめている。
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Strategy for Future Research Activity |
カンザス大学のEdward Canda氏の大著の翻訳作業に共同作業として取り掛かり、まだ道半ばであるが、更に次期に向けて難題ではあるが作業は順調に進められているところである。9月に同氏を同志社大学に3ヶ月にわたって特別招聘教授として招聘する予定であり、この時期に、当人とも直接研究交流をすすめることが可能となり、また現在進行中の翻訳作業をいっそう加速的にすすめる予定である。これらによって、完成年度に向けて、これまでの研究の完成を目指して着実に推進する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
旅費などの支出が予想より下回ったため。 旅費出張などで使用予定である。
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Research Products
(13 results)