2011 Fiscal Year Research-status Report
向老期知的障害者家族の安寧な日常生活のためのサポートプログラムの開発的研究
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23530789
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Research Institution | Kansai University of Welfare Sciences |
Principal Investigator |
得津 愼子 関西福祉科学大学, 社会福祉学部, 教授 (50309382)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 家族レジリアンス / FFFS家族アセスメント尺度日本語版 / 向老期知的障害者家族 / 中途障害者家族 / パワー / 家族ライフサイクル / 連携 / 構造 |
Research Abstract |
本研究は手向老期を迎えた知的障害者家族への聞き取り調査と、一般の向老期家族への質問紙による調査によって、向老期を迎える知的障害者家族の現状とニーズを明らかにするものである。(1)家族にもともと備わっていると思われる安寧を保つ力(家族レジリエンス)、(2)家族の内外システムとその相互作用―家族機能・家族関係・家族構造と外的資源や環境条件)、(3)個人の現実構築や意識(主観的幸福感、QOL意識、生活満足感)などが家族の現実構築とどのように関係しあっているかの循環的な相互作用を明らかにしようとするものである。 量的調査の質問紙の作成準備として家族機能を問うFFFS (フィータム家族機能尺度Feetham Family Functioning Survey)日本語版I の妥当性検証のためのプリテストを京田辺市「心の健康教室」連続ワークショップにて行った。全7回のプログラムの中の家族レジリエンスについての講義の効果測定を行ったものだが、FFFSについては差異は余り認められなかった。 また、中途障害者家族の系時的聞き取り調査の内容分析を行い、家族の困難な体験における家族ライフサイクルとパワーの変化もついての相互作用のプロセスの一端を明らかにした。 成果は以下である。論文として、「家族レジリエンスー家族の持つ回復する力を信じてー」日本家族看護学2012年4月上梓予定。筆者の家族レジリエンスについての一連の研究結果とその応用について述べた。学会発表として「中途障害者の家族プロセスにみるパワーの変化:頚髄損傷で半身不随になったAさん家族との会話の分析から」日本質的心理学会第8回大会。家族レジリエンスについての系時的聞き取り調査の内容分析の結果を発表し、家族システムにおける予期できない災難で混乱する家族のレジリアンスにはライフサイクルとシステムの構造、パワー、連携などの要素が関係することを明らかにした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
23年度に実施予定の向老期知的障害者家族への聞き取り調査の実施を24年度に行う方が、これは時間的な間隔を考えた時、系時的調査としてはより適正なであると判断したものである。そのため調査スケジュールが全後ろ倒しになり、全体的な調査分析の結果などについて予定が遅くなっている。
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Strategy for Future Research Activity |
2013年度の研究推進予定1.系時的聞き取り調査の実施 2012年8・9月に強度行動障害を持つ知的障害者家族(親8名)の聞き取り調査を行い、その分析と結果の考察を2013年3月までに終了。その間分析の実証性担保のためのグループスーパービジョンやスーパービジョンを受ける。2.質問紙による量的調査 2013年3月までに質問紙の作成を行い、調査を実施する。結果の分析を2013年8月までに行う。3.上記に基づき国内外の学会での情報収集や成果発表を行うものとする。2014年度は最終年度として、一層の分析と成果発表を行い、報告書を作成する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
2013年度の主な研究費の使用計画 量的調査費用(印刷費、通信費など)として200,000、調査補助(テープ起こし、データ整理として200.000使用。調査の分析データ処理や調査分析スーパービジョンのために専門的知識の供与として200,000、調査分析結果のスーパービジョンに発生する旅費として100,000使用。 研究成果の発表と情報交換、調査打ち合わせのため海外学会参加費(American Family Therapy Academy Annual Meeting and Conference@San Francisco, Social Work Social Development 2012@Stockholm)800,000、国内学会参加費200,000(日本ソーシャルワーク学会、日本質的心理学会、日本社会福祉学会)を使用。その他パーソナルコンピューター、調査資料保管庫など機材に200,000、文献等に100,000支出予定である。
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Research Products
(2 results)