2014 Fiscal Year Annual Research Report
日本版ガイデッド・オートバイオグラフィーの妥当性検証
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23530793
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Research Institution | Mukogawa Women's University |
Principal Investigator |
中尾 賀要子 武庫川女子大学, 文学部, 准教授 (90584988)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 回想法 / Guided Autobiography / 高齢者 / 福島 / エリクソン |
Outline of Annual Research Achievements |
平成26年度は三期に分けて活動した。まず4月から7月の前期には、福島県県北方部社会福祉士会会長・松崎暁世氏およびNPO法人市民後見サポートの会代表・遠藤喜惠氏の協力のもと、東日本大震災で影響を受けた福島県在住の高齢者らを対象に語りによるGuided Autobiography[GAB]回想法グループを実施した。実施前後に心身の健康度(GHQ)、 改訂出来事インパクト尺度日本語版(Impact of Event Scale-Revised)、 人生に対する満足尺度(The Satisfaction With Life Scale [SWLS])、改訂エリクソン発達課題達成尺度・統合絶望項目(Modified Erikson Psychosocial Stage Inventory[MEPSI]-Integrity/Despair)等を用いた質問紙により、Pre-Postデータを収集した。 8月から12月の中期には、同窓生組織である武庫川学院鳴松会の協力のもと、兵庫県在住の65歳以上を対象に自記式によるGAB回想法参加者を募り、2グループに対し計10回及ぶ回想法を実施した。福島で実施した調査と同内容を、回想法実施前、実施中、実施後に行い、参加後の感想や意見を終了後のグループインタビューで募った。 後期にあたる1月から3月は、収集したデータの整理を行い、量的及び質的データの分析に着手した。量的には記述的統計を終え、反復測定分散分析等を用いて回想法実施による影響を精査した。その結果、回想法による大きな影響は認められなかった。一方、質的データにおいては、それぞれのことばで回想法参加によって得られた満足感が表現されており、今後の抱負を語る言葉も見られた。今後は量的及び質的を合わせたミックス法を用いて、日本人高齢者に対するGABの活用について総合的に考察し、投稿論文を執筆する予定である。
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