2011 Fiscal Year Research-status Report
英国の都市ホームレス問題における社会的企業の評価枠組みの研究
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23530795
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Research Institution | Tezukayama University |
Principal Investigator |
山本 惠子 帝塚山大学, 公私立大学の部局等, 教授 (20309503)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井岡 勉 同志社大学, その他部局等, 名誉教授 (80066240)
八木橋 慶一 近畿医療福祉大学, 社会福祉学部, 講師 (70570349)
大村 和正 立命館大学, 文学部, 講師 (30571393)
岩満 賢次 聖カタリナ大学, 人間健康福祉学部, 講師 (00454893)
正野 良幸 京都女子大学, 家政学部, 助教 (90514167)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2014-03-31
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Keywords | 貧困 / 社会的排除 / 差別 |
Research Abstract |
平成23年度は、研究分担者を中心に24年3月に英国で予備調査を行った。また24年2月には、中間支援組織のヤング財団事務局長のS.タッカー氏を招聘し、英国の社会的企業に関する講演会および研究会を開催した。渡英調査では、社会的企業の中間支援組織であるソーシャル・エンタープライズ・ロンドン(SEL)、社会的企業の育成に積極的に取り組んでいるロンドンのランベス特別区を訪問した。そのほか、英国政府の社会的企業育成策を確認するため、政府主導で開設されたビッグ・ソサエティ・キャピタル(社会的企業支援の金融機関)や内閣府市民社会局も訪問した。また、社会的企業研究者(R.リドリー=ダフ氏ら)を訪問し、意見交換会をもつことができた。SEL訪問の際には、社会的企業のアセスメント評価手法について、SROI以外にもSEL独自で開発した評価手法のヒアリングを行うことができた。この点については、ヤング財団のタッカー氏も講演会においてSROIだけで社会的企業を評価することは避けるべきと語っており、英国内では、SROIだけでなく別の評価手法も注目され、実践されていることを確認できたことは意義があったと考える。また、ビッグ・ソサエティ・キャピタルや内閣府市民社会局の訪問では、政権交代によって社会的企業の育成環境がどのように変化したかを確認することができた。具体的には、社会的企業の支援策の財源について、従来からの補助金ではなく、ビッグ・ソサエティ・キャピタルのような金融の論理が取り入れられるようになった点である。そのほか、研究分担者3名が社会的企業の理論研究に関する論文を学術雑誌で発表した。これらは、英国や日本における社会的企業の課題や可能性を検証したものである。本研究の今後の調査の基礎となるものであり、重要な成果であったと考える。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
渡英調査を実施し、SROIなどの社会的企業のアセスメント手法について現地で中間支援組織の職員からヒアリングを行うことができた。また、中間支援組織の事務局長を招聘して講演会および研究会を開催し、同じくアセスメント手法に関する知見を得ることができた。
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Strategy for Future Research Activity |
平成24年度も渡英し、現地調査を行う予定である。23年度の予備調査の成果を踏まえ、ホームレス問題や就労問題に取り組む社会的企業を本格的に調査することにしている。特に、個別の社会的企業への調査は不十分であったため、今年度の調査では重点的に行いたいと考えている。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
山本惠子が英国調査と日本の調査を行う。また毎月大阪梅田で開催の「社会起業塾」に参加する。その他の費目は社会起業塾のゲストスピーカーの謝金に充てられる予定である。
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Research Products
(4 results)