2013 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者サロンの展開方法に関する研究―小地域別ソーシャル・キャピタル分析から
Project/Area Number |
23530805
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Research Institution | University of Kochi |
Principal Investigator |
山村 靖彦 高知県立大学, 社会福祉学部, 准教授 (80455089)
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Keywords | ソーシャル・キャピタル / 高齢者ふれあい・いきいきサロン |
Research Abstract |
「サロンの自主運営が継続するための要件」と「支援の指標」の二点について明らかとなった. サロンの自主運営が継続するための要件としては,第一にソーシャル・キャピタル(SC)の成熟が考えられた.調査地域のサロンをめぐっては,参加率の増減や開催にあたっての困難性を要因に二極化が認められたが,これにはSCの成熟度が大きく関与していることが判明した.ここでは,「SC高評価回答率」が74%以上を示したとき,SC成熟していると考えられた. 第二に,支援の必要性が示唆された.調査地域では,2009年と2010年にそれぞれ数ヶ所のサロンに対して支援が行われたが,これにより参加率の年間平均と「SC高評価回答率」は増加し,サロン開催にあたっての困難性は解消されている.これはサロンへの支援を契機に,多くの参加者が運営にかかわったことで,開催時における困難性の解消につながったものと考えられた.そしてこのような傾向は,自主運営への機運を高めていくものと思われ,以上からサロンへの支援が不可欠であることは明白といえる. 支援の指標については次の二つに焦点をあてた.一つ目の「支援開始の必要性に関する指標」については,まず,「サロン参加率」の年間平均が低い,もしくは減少傾向にあるということがあげられた.調査地域の場合,年間平均の70%未満が「参加率が低い」と判断するときの目安となっていた.二つ目の「支援終了の妥当性に関する指標」については,まず「サロン参加率」の年間平均が増加傾向にあるということがあげられるが,あわせてSCの成熟度を確認する必要がある.これに加えて,「支援開始の必要性に関する指標」とは反対にサロンの運営上にける困難性や運営面において協議性が低下していないかなどについて確認することにより,判断の的確性は増すものと思われる.
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