2011 Fiscal Year Research-status Report
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23530809
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Research Institution | Hokkaido University of Education |
Principal Investigator |
今在 慶一朗 北海道教育大学, 教育学部, 准教授 (40359500)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 手続き的公正 / 権威 / 対人的要因 |
Research Abstract |
平成23年度は、次年度の実験室実験によるデータ収集、分析に向けて、先行研究の整理、既存のデータの再分析による予備分析を行う予定であった。そこで、テーマに関する文献を収集し、先行研究について整理を行い、成果を大学の紀要原稿としてまとめた。原稿は現在投稿中である。また、既存データの統計学的な予備分析についても進めているが、現在までに次年度の研究に結びつくような成果は得られなかったため、現在も分析を継続中である。また、研究テーマに関連した新たな既存データの入手も行っており、順次分析する予定である。雑誌名:北海道教育大学(人文科学・社会科学編)タイトル:手続き的公正の構造的要因と対人的要因:その分類と研究課題著者:今在慶一朗(北海道教育大学)概要:手続き的公正感にはさまざまな要因があることが確認されてきたが、それらはあらかじめ決められた規則のような手続きの構造に関するものと、手続きの運用を任された集団や組織の権威者に対する印象のような対人的なものに大別できる。さらに近年では、対人的要因については、手続きに不正がなかったことを示すアカウンタビリティと、手続きによって影響を受ける当事者に対する鄭重さの二つを指摘する研究が見られる。先行研究では、しばしば対人的要因による強い効果が確認されてきたが、その理由として、1.対人的要因には複数の効果が含まれている可能性がある、2.認知的バイアスによって過度に権威者を印象付けられてしまう可能性があると考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
手続き的公正感をもたらす権威者の対人的要因の性質を明らかにすることを目的としていたが、紀要原稿として、対人的要因に関するこれまでの研究の流れやこれに伴う問題点を整理することができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
実証的手法を通じて得たデータを統計的手法を用いて分析し、手続き的公正感要因としての権威者の印象がもたらす心理的効果について検討する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
実験などの実証的手法を通じて、決定を受ける当事者が、手続きを運用する権威者の印象を形成する過程で、顕著に影響すると考えられる刺激、手がかり、権威者の属性などについて検討する。 実験では、顔や声などによる個人的属性の影響を排することを目的として、参加者にコンピュータを通じた他者との相互作用、もしくは模擬的な相互作用を体験させ、何らかの決定を受ける手続きを体験させる。その際、権威者に関するいくつかの要因を配置し、決定手続きを司る権威者に対する評価と手続き的公正感を測定する。
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