2014 Fiscal Year Annual Research Report
ソーシャルスクリーニング利用の心理・影響に関する実証的研究
Project/Area Number |
23530814
|
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
小笠原 盛浩 関西大学, 社会学部, 准教授 (00511958)
|
Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
|
Keywords | ソーシャルメディア / フィルタリング / 共通知識 / 継時的分析 / 紐帯 / 流言 |
Outline of Annual Research Achievements |
<最終年度の研究成果> ソーシャルメディア利用者がソーシャルメディア上で友人が勧める情報を情報源として利用すること(ソーシャルフィルタリング)による効果検証研究の最終年度として以下の実績を挙げた。第一に、2014年1月に行ったアンケート調査第1波のサンプルに対して、2014年9月26日~10月10日に第2波調査を実施した。両調査によって、一般的なインターネット利用者のソーシャルフィルタリングの利用状況(利用率・利用頻度・利用動機)とそれらがサンプルの社会についての知識(共通知識)に及ぼす効果を経時的に検証することが可能となった。第二にソーシャルフィルタリングの効果を定量的に測定するために、2時点間の共通知識の変化量を尺度とする手法を開発した。現在はこれらのデータを用いた継時的な分析に取り組んでいるところである。第三に、災害時にソーシャルメディア上で友人が勧める情報への反応メカニズムを2013年度に引き続き質問紙実験で調査し、メカニズムの概要を明らかにした。第1波調査ならびに災害時のソーシャルメディア情報の分析にもとづいて学会発表を2本行い、国内出版社・海外出版社による学術書(共著)の執筆も進めている(出版社とは契約締結済)。
<研究期間全体を通じた研究成果> 本研究では、ソーシャルメディアの効果を定性的および定量的手法を用いて検証し、効果測定のための手法の開発を行った。ソーシャルメディアの利用が広まりその影響がマスメディア等で取り上げられているにも関わらず、主な影響の一つであるソーシャルフィルタリングについて、体系的な定量分析手法で効果を検証した研究は、海外を含めても未だにほとんどない。本研究はこうした社会的ニーズと研究のギャップを埋めるものであり、独自性・先進性、社会的意義が高いといえる。
|
Research Products
(2 results)