2013 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
23530817
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Research Institution | Fukushima College |
Principal Investigator |
内藤 哲雄 福島学院大学, 福祉学部, 教授 (20172249)
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Keywords | 異文化間コミュニケーション / 対人コミュニケーション / スキーマ / PAC分析 / 留学生 / MIX法 |
Research Abstract |
文化によって、他者に何をどのように話すかの様式(対人コミュニケーション・スキーマ)に違いが見られる。本研究の調査では、日本に滞在し日本人と対話することで、母国と日本での対人コミュニケーション・スキーマの違いに直面し、その違いに気づきやすい外国人留学生を対象とした。また、このスキーマは暗黙裡に獲得されるものであり、全体構造の意識化が困難である。そこで分析技法としては、単一事例を詳細に吟味することが可能なPAC分析を用いた。各参加者協力者に対して、(1)日本人との対人コミュニケーションでの違和感、(2)日本人の対人コミュニケーションの特徴、(3)母国の対人コミュニケーションの特徴、についての合計3回のPAC分析をした。 結果を概括すれば、海外の多くの国では、日本のように、対立を避けるために自己主張を抑制し、丁寧で曖昧で婉曲的な表現の仕方をせず、率直に直截に自分の意見を主張することが自然であり、許されている。これらの国々との違いで注目されるのが、ルーマニアである。この国では、日本でのように相手に気遣い、自己主張を抑制し、丁寧で曖昧な表現形式をとる。参加協力者の説明によれば、ルーマニア人はローマ人の末裔であるが、強大な国(西にハクスブルグ家、東にロシア帝国、南にオスマントルコ)に囲まれていたことが影響したのであろうとのこと(最終年度にヨーロッパ心理学会で報告)。 調査国でのそれぞれの特徴を含めての研究成果は、国内の学会大会だけでなく、最終年度(平成25年度)にはヨーロッパ心理学会大会(スエーデンのストックホルム)、アジア社会心理学会大会(インドネシアのジョグジャカルタ)の海外学会大会でも報告された。また、平成24年度には、タイ国のチュラロンコーン大学、米国のニューヨーク大学とコロンビア大学を訪問、最終年度にはイタリアのローマ大学を訪問し、海外の研究者と情報交換した。
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Research Products
(4 results)