2012 Fiscal Year Research-status Report
真実の告知を担うNEUTRAL SUPPORTERの必要性を探る
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23530819
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
前田 祐子 京都大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (30378749)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小堀 栄子 摂南大学, 看護学部, 教授 (00422931)
福田 早苗 大阪市立大学, 医学(系)研究科(研究院), その他 (50423885)
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Keywords | インフォームドコンセント / 真実の告知 / 終末期医療 / 医療情報共有 / Neutral Supporter / 医療コミュニケーション |
Research Abstract |
臨床現場においての真実の告知は医療における基本的な倫理原則である。日本でも患者の自己決定権やインフォームドコンセントが重視され、終末期医療における病名告知は必須と考えられている。しかし、真実の告知の基盤は個人の自律性の尊重があるといわれている。医療者と患者そして家族の相互依存的な関係を重視する日本では、真実の告知がとても難しい問題である。そこで日本の終末期医療現場における三者の真実の告知に対する異なる立場と認識と理解を深め、日本特有の文化的背景を前提とした支援内容を明らかにするとともに真実の告知を担う人材創生に関する研究を行うことが目的である。一年目で京大の医の倫理委員会に承認された後、リクルートを初めてインタビューを開始、2年目も患者とその家族そして担当医、理学療法士(ガンリハビリ)を対象に情報収集を開始した。特に、理学療法士がガンリハビリということで、介入された結果、その患者そして理学療法士がさまざまな医療情報を共有していることが確認できた。 この部分においては、担当医、看護師以上にその医療情報をお互いに共有することで、スムーズなコミュニケーションができていることがわかってきた。そこで、25年度は最終年度であるが、どのくらい正しい医療情報をお互いに共有できているのか、また医師、看護師、理学療法士が医療情報の共有の差がなぜ起こっているのかを考えるべく、インタビューで掘り起こしていきたいと考えている。 2012年10月、日本公衆衛生学会に発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
1年目からの続きでインタビュー調査を行い、さまざまな項目を抽出した。特に2年目は理学療法士、患者、家族そして担当医、看護師等を対象にインタビューを調査を続行する。特にガンリハビリテーションの従事者(理学療法士)を広げたことから、医療情報の共有ということで新たな展開があったが、ガンリハビリテーションを担当している理学療法士が少ないため、リクルートが少し難しくなっていた。そのため、担当医、担当看護師、患者の3者はデータは取れたが、それに伴うほかの医療従事者へのアクセスを考慮する必要があると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
医師、看護師以外の医療従事者へのリクルートが難しくなってきているので、全国のガンリハの理学療法士、また管理栄養士等、薬剤師に質問紙を送ることで、研究の幅を広げたいと考えている。質問紙は2年間で行ったインタビュー調査をもとに項目を挙げ、そこから作成を試みたいと考えている。インタビュー調査並びに質問紙を行うことで、医療情報のあり方、患者における医療情報とは何か、また医療者における医療情報の提供の仕方、考え方を見出すことを目的とする。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
インタビュー調査で収集したデータをテープ起こしするために、業者に依頼するため作業委託費が必要である。国内において病院や施設に赴き調査をするための旅費、インタビュー対象者への謝金の費用、調査分析のための会議費、質問紙作成とその実施のための郵送費。参考図書、配布資料が必要となる。 本研究に際しては、国内関連学会発表及び情報収集の旅費も必要となる。
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