地域コミュニティにおける共育空間創出のアクションリサーチ

2014 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 23530820
• Research Institution: Kyoto University
• Principal Investigator: 永田 素彦 京都大学, 人間・環境学研究科(研究院), 准教授 (60271706)
• Project Period (FY): 2011-04-28 – 2015-03-31
• Keywords: コミュニティ / 共育 / アクションリサーチ / 歴史文化的資源

Outline of Annual Research Achievements

コミュニティの活性化には、コミュニティを、異質な人々が出会い、互いに育て育てられる「共育」の場としていくことが必要である。本研究は、滋賀県長浜市の中心市街地をフィールドに、研究者と当事者たちによる共育の場をつくり、フィールドに固有の歴史文化的資源としての庭を活用したコミュニティ活性化を目指すアクションリサーチを展開することを目的としている。本研究の研究実績は、次の通りである。第1に、共育の具体的な場として、庭を活かしたコミュニティづくりに関する勉強会を行った。具体的には、社会心理学、建築、庭園の専門家、まちづくりNPOのスタッフ、行政職員、タウン誌編集者、市民ボランティアらが一堂に会し、それぞれの専門性や得意分野を活かして、庭を活かしたコミュニティづくりの方策を検討した。研究期間中、参加メンバーの多様化、および、当事者主体への移行が観察された。第2に、勉強会の具体的なアウトプットとして、個人宅および公共の庭を紹介するリーフレットを作成した。これは長浜市中心市街地において実施された庭の悉皆調査の結果にもとづいて、取り上げる庭を選定し、持ち主へのインタビューや日本庭園の専門家の意見をふまえて、作成したものである。企画、インタビューなどの調査、執筆などすべての工程を当事者と研究者との協同で行った。今年度は第3号を発行した。第3に、これらの過程の参与観察記録やインタビュー記録をエスノグラフィーにまとめ、活動理論の観点から考察した。