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2012 Fiscal Year Research-status Report

自伝的記憶の想起が自己開示・自己注目を介して抑うつ感に及ぼす影響

Research Project

Project/Area Number 23530829
Research InstitutionRikkyo University

Principal Investigator

小口 孝司  立教大学, 現代心理学部, 教授 (70221851)

Keywords国際情報交換 中国
Research Abstract

研究目的は次のようなものであった。否定的な自伝的記憶の想起が抑うつ感に及ぼす影響を申請者は確かめてきているため、本研究においては、自伝的記憶の想起から抑うつに至るパスにおいて、過去の研究から、媒介変数として自己開示、調整変数として自己注目を想定して、これらの効果を検証する。さらに、否定的な自伝的記憶を想起する場合において、ごく少数であるがポジティヴな効果を見せる調査対象者が以前の研究から確かめられた。これは自伝的記憶の問題解決機能の使用によるものであると推測しこの効果も検証する。
この研究目的に照らして、次のような研究計画を立てた。現在までの文献研究をさらに深める。論文、書籍などを順次購読していく。申請書に示した仮説モデルを精緻化させる。仮説モデルの各要因を表す調査項目を策定する。既存の尺度があるものはそれを翻訳して使用する。 Buck et al.(2005)の自伝的記憶の機能尺度(TALE:Telling About Life Experience Scale)などである。
その上で、生成された仮説モデルを検証するために、調査を実施した。調査対象者は、社会人であった。調査は信用があり、莫大な調査対象者を有する調査会社に委託した。得られた結果を分析して、項目を確定させ、モデルを策定した。
これを受けて、当該研究の基礎となる、自伝的記憶の機能に関する研究ならびに媒介変数に関する研究を中心に論文作成を行った。TALEの尺度としての有効性を示す論文を執筆して投稿した。こちらは、既に2回の改稿を行い、近日中に最終的な判断が下るものと考えられる。さらに、媒介変数に関する論文も執筆して、こちらも投稿している。ただこちらはまだ審査結果を得ていない状況である。また、発展的な研究として、自伝的記憶とVFR研究との関連に関する論文も投稿中である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

昨年度までの調査に基づき、昨年度は、直接的にかかわるものだけでも、論文(紀要)を2本、学会発表を3件おこなっている。さらに、先に記したように、学会論文に現在3本投稿中である。そのうち、1本はほぼ審査の最終段階に入っていると推定される。科研費を活用させていただき、十分な研究成果が上がっていることから判断できる。
さらに、自伝的記憶のポジティヴな効果についても、観光研究との関連から検討を進めている。これは当初の研究計画には具体的には盛り込まれていなかったが、調査対象に適した地域に在住している海外の研究者の協力を得て実施し、論文として投稿されている。さらに、同様な研究を日本においても実施し、こちらも現在分析中である。
以上のように、計画通り進展し、かつ着実に業績を残していること、ならびに計画には具体的に盛り込まれていなかった海外の研究者と協力して研究を進めていることから、当初の計画以上に進展していると判断できる。

Strategy for Future Research Activity

当初の計画通り、研究を進展させていく予定である。ただ、当該プロセスについて、非常に興味深い知見が得られた。それゆえ、それを深化させるために、プロセスの前半部分を特に深めた研究を重点的に行う予定である。さらに、当該プロセス後半のうつに関しても詳しく検討する。また、媒介要因である、自己開示については、ネット上での自己開示に注目し、SNSにおける自己開示の効果などについても研究を深めていく予定である。
海外の研究者と協力して進めている研究についても、研究結果を踏まえたうえで、さらなる研究の進展を図っていきたい。

Expenditure Plans for the Next FY Research Funding

前年研究結果から得られた知見から生成されたモデルをさらに詳細に検討し、モデルの適合度をさらに高めていく。その際、大学生のみならず、一般の社会人をも対象とする必要があり、しかしながら予算も限られているので、インターネット調査を実施する。
次年度に使用する研究費の大半は、モデルを精緻化するために、インターネット調査を行うが、対象となる項目が多数に及ぶために、複数回のネット調査を行う必要があり、そうした費用に充当される予定である。インターネット調査の実施が年度をまたいでしまったために、次年度に使用する予定のある研究費があるが、複数のインターネット調査を順次行っていき予算を執行するため、問題はない。
今年度も何とか研究費をやりくりして、計画以上に展開させている部分の研究も充実させていきたい。

  • Research Products

    (8 results)

All 2013 2012 Other

All Journal Article (4 results) (of which Peer Reviewed: 3 results) Presentation (4 results)

  • [Journal Article] The Motivation for Chinese Immigrants in Japan to visit their Homeland.2013

    • Author(s)
      Oguchi, Takashi & Io, Manu Yan.
    • Journal Title

      Annual reports of 21st Century Human Interaction Research Center (Toyo University, Japan)

      Volume: 10 Pages: 39-43

  • [Journal Article] 性別・年代からみた自伝的記憶の機能2013

    • Author(s)
      落合勉・竹田葉留美・小口孝司
    • Journal Title

      立教大学心理学研究

      Volume: 55 Pages: 1-8

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Group tour influences tourists’ satisfaction.2012

    • Author(s)
      Oguchi, Takashi. & Hirokawa, Keiko
    • Journal Title

      2nd Advances in Hospitality and Tourism Marketing & Management Conference Proceedings.

      Volume: 2 Pages: 6pages in CD

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Giving confectionary souvenirs makes tourists happy.2012

    • Author(s)
      Oguchi, Takashi., Abe, Kanako., Ohshima, Remi. & & Hirokawa, Keiko.
    • Journal Title

      18th Asia Pacific Tourism Association Annual Conference Proceedings.

      Volume: 18 Pages: In CD

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] 自己注目の媒介変数としての自己理解

    • Author(s)
      小口孝司・中島実穂
    • Organizer
      日本心理学会
    • Place of Presentation
      専修大学
  • [Presentation] 日本語版Thinking About Life Experiences (TALE)尺度の作成および信頼性と妥当性の検討

    • Author(s)
      落合勉・小口孝司
    • Organizer
      日本心理学会
    • Place of Presentation
      専修大学
  • [Presentation] 反芻・省察が自伝的記憶を介して抑うつに及ぼす影響

    • Author(s)
      川久保惇・小口孝司
    • Organizer
      日本心理学会
    • Place of Presentation
      専修大学
  • [Presentation] 休暇体験とおみやげがメンタルヘルスに及ぼす効果

    • Author(s)
      阿部加奈子・小口孝司
    • Organizer
      日本観光研究学会
    • Place of Presentation
      立教大学

URL: 

Published: 2014-07-24  

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