2012 Fiscal Year Research-status Report
対人言語コミュニケーション能力養成プログラムの構築、実施、および分析・評価
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23530835
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
小山 哲春 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 准教授 (60367977)
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Keywords | 対人コミュニケーション / 言語コミュニケーション / コミュニケーション能力 / 対人認知 / 対人コミュニケーション能力トレーニング |
Research Abstract |
研究初年度である平成23年度は、本事業の主要2課題のうち、主に第一課題「対人コミュニケーション場面での効果的な言語メッセージ産出(メッセージ・デザイン)の認知的メカニズム解明」を遂行した。先ず第一に、第一研究課題(三つの個別課題を設定)のうち最初の課題「効果的な言語メッセージ・デザインに関する探索的研究」に着手し、様々な対人コミュニケーション場面でどのようなメッセージ・デザインが効果的であるか探索的な調査を行った。約250名の日本人サンプルからElicitation Task法を用いて言語メッセージのトークンを収集し、現在、KJ法およびテキスト分析を用いたカテゴリー化作業を行い、同時に、これらの範疇別メッセージを別グループの被験者に「効果」という観点で評価してもらい、どのようなメッセージデザインの効果が高いと判断されるか経験的な知見を得るための質問紙調査を開始した。現在、これらの結果の分析を開始したところであり、平成25年度にかけて言語コミュニケーション効果研究の成果に鑑みた日本人の効果的な言語コミュニケーション・デザインに関する理論化を行う予定である。 次に、初年度に引き続き、個別に立てたもう一つの課題「対人言語コミュニケーション能力」の概念化と操作化の理論的・実証的検証を行った。対人コミュニケーション能力の基盤に認知的複雑性や自分や他人のコミュニケーションスタイル(MDL)に関する理解など深く関わると仮定し、これが日本語話者にも応用可能か検証するため、日本人サンプルの対人コミュニケーション能力(効果的なメッセージ産出能力)・認知的複雑性・コミュニケーション・スタイルを測定した。三変数間の相関(共分散)分析を終了し、次の課題である「トレーニングプログラムの構築」へとその分析結果を適応する準備を整える事ができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
テキストデータの分析(範疇化)に予想以上の時間を費やしており、また、公務との兼ね合いで、海外視察の時間が十分に取れないでいる事が大きな原因である。
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Strategy for Future Research Activity |
事業三年目となる平成25年度は、研究第一課題:言語コミュニケーション能力に関する基礎研究の早期終了、および、第二課題である対人コミュニケーション能力トレーニングプログラムの構築が達成目標となる。「日本人の効果的な言語コミュニケーション・デザインに関する理論化」の実証的サポート基盤の一部となるべく海外(米国)大学に置けるコミュニケーションプログラムの視察を行う予定である。さらに、汎的な対人コミュニケーション能力の要因となる認知要因の特定とそれらの関係の分析をさらに進め、人間(特に日本人)の言語コミュニケーションを構成する認知機構の全容解明を目指すこととなる。 さらに、本事業3年目以降に計画しているトレーニングプログラムの実施に向け、その基盤となる枠組みを早期に完成し、様々な対人コミュニケーション場面における言語コミュニケーション行動(説得(persuasive)、慰め(comforting)、規制(regulative)、議論(argumentation)、交渉(negotiation)、他)について、それぞれの①原理の理論的な説明(理解)、②自らのコミュニケーション行動の評価(気づき)、および③スキル向上のための実践(行動)をセットとした「講義・演習」を構築し、特に①の理論的説明には、第一課題の成果や言語コミュニケーション基礎研究の成果を盛り込み、社会科学的に根拠のある原理的説明を導入する予定である。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
過去二年間に引き続き、研究費の使途は主に物品(書籍、およびデータ処理/管理のための機器が中心)、旅費(海外、国内での視察、情報収集及び成果発表を目的とした関連学会への参加)、および新たに人件費(データ処理、およびトレーニングプログラム構築の際の研究助手)となる予定である
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Research Products
(3 results)