2013 Fiscal Year Research-status Report
対人言語コミュニケーション能力養成プログラムの構築、実施、および分析・評価
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23530835
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Research Institution | Kyoto Notre Dame University |
Principal Investigator |
小山 哲春 京都ノートルダム女子大学, 人間文化学部, 准教授 (60367977)
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Keywords | コミュニケーション能力 |
Research Abstract |
(1) 言語コミュニケーションスキル・トレーニングプログラムの構築(平成24年度) 様々な対人コミュニケーション場面における言語コミュニケーション行動(説得(persuasive)、慰め(comforting)、規制(regulative)、議論(argumentation)、交渉(negotiation)、他)について、それぞれの①原理の理論的な説明(理解)、②自らのコミュニケーション行動の評価(気づき)、および③スキル向上のための実践(行動)をセットとした「講義・演習」を構築した。特に①の理論的説明には、第一課題の成果や言語コミュニケーション基礎研究の成果を盛り込み、社会科学的に根拠のある原理的説明を導入した。このプログラムを、研究代表者の本務校の後期担当授業(言語、文化、コミュニケーション)において、授業の一環として実施した。 プログラムの開始時および終了時の2回に渡り受講者の「言語コミュニケーション能力」を測定した。従来の研究に多い質問紙票による自己診断だけではなく、実際のコミュニケーション場面でのメッセージ産出法(Solicitation Task)によって、コミュニケーション行動そのものを測定して評価するシステムを導入し、これをWebベースの調査票の形式で行った。現在分析に取りかかっている。 (2) 海外視察 上記で実施したパイロットプログラムをさらに改良する目的で、海外(米国)大学のコミュニケーション学科におけるコミュニケーションスキル向上プログラム、および、この評価方法についての聞き取り調査を行った。米国カリフォルニア州にて、州立大学1校、市立大学1校、Communiy College3校の計5校のコミュニケーションプログラムの担当者にインタビューを実施した。現在分析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に行えなかった海外視察も実施し、概ね当初の研究計画通りに実施できている。
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Strategy for Future Research Activity |
平成25年度に実施したパイロットプログラムの評価、および、この改訂を行う。特に、パイロットプログラムにおける参加者の各コミュニケーション能力の変化、コミュニケーションに関する意識の変化などを詳細に分析し、この結果をプログラム改訂に反映し、さらにプログラムの実施/評価/分析を行う予定である。 また、プログラム参加者の言語コミュニケーションスキル変化の直接的な効果の観察に加え、トレーニング受講の結果としてプログラム中に計測される参加者それぞれの「社会認知複雑性」、「メッセージデザイン論理」、および「言語コミュニケーションスキル」等の得点がどのような関係となるか共分散分析(Structural Equation Model)の手法を用いて分析する。様々な要因の変容と関係を観察することで、対人言語コミュニケーション能力がどのような形で我々の中に存在するのか、その認知メカニズム解明のための分析を行う。 また、それぞれの段階での成果を学会発表等の形で公表し、その意味や意義について領域の専門家からの意見・批判を幅広く収集していくことで、この研究成果の実証性や実現性、将来の方向性について検証する。
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Expenditure Plans for the Next FY Research Funding |
次年度使用額は31,715円であり、概ね予定通りに支出出来たと考えている。 次年度使用額は31,715円であり、本来の使用計画に大きな変更はない。
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