2014 Fiscal Year Annual Research Report
幼児期から児童期にかけての社会性の獲得に関する発達的検討:発達の多様性の観点から
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23530843
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Research Institution | Miyagi University of Education |
Principal Investigator |
伊藤 順子 宮城教育大学, 教育学部, 教授 (10331844)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
越中 康治 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (70452604)
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Project Period (FY) |
2011-04-28 – 2015-03-31
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Keywords | 社会性 / 遊び / 学び / 子育て支援 / 発達 / 動機づけ / 多様性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,家庭,教師,仲間という環境の中で,幼児期から児童期にかけていかに社会性を獲得し,それが,対人関係や学友場面でどのように作用するかをH23年度から4年計画で横断調査を行った。 最終年度の本年度は,幼児期から児童期にかけての社会性の発達を,学びと動機づけの視点から考察するために公開シンポジウムを企画した。具体的には,幼児教育の質や社会性の獲得が,就学後の学力と関連しているというPISAの提言を受け,学校教育における「読解力」と幼児教育のインターラクションについて,読解力を育む「学びのしかけ」について領域横断的(認知心理学・教育心理学・保育学)研究助言を求めた。その結果,保育・教育現場での実際の子どもの姿から,学びの視点や動機づけを読み取り,発達の連続性をふまえた「学び」のしかけを再考する必要性が示唆された。特に,「読解力」に関しては認知的側面を中心に基礎研究が積み上げられてきたが,研究成果をいかに実践に生かすかが重要であることが提言され,①幼児期の生活の中の感動・興味・関心に対する大人の感性が重要であること,②幼児期は子どもが物語の中にあり,絵本の内容は日常生活とつながっていることが示唆された。 また,H23年度からH26年度までのデータを関係論的発達理論から質的に分析・考察した結果,幼児期から児童期にかけての社会性の獲得と環境要因の関連の多様性が明らかになり,「個」×「環境」モデルの理論的妥当性が示唆された。そこで,最終年度の本年度は,これまで得られた研究結果を地域に還元し,これからの子育て支援の在り方を提言した。
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Research Products
(3 results)